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「好き」で涙は枯れる


私には想い人がいる。



その子は、地元が同じで高校は別だったが友達として時々会っていた。
僕は、中学校の終わり位から高校生活の約3年間、片思いをしていた。高校生活が終わるまでに3.4回ほど告白もしている。しかしすべて撃沈…..
その子の高校の卒業式。私は、花束を持って行った。もちろんその子に渡すため。無事、渡すことができとても喜んでくれた。自分の高校の制服を着ていたので、「他校の生徒が異性に花束を渡している」だけで大事になった。恥ずかしがり屋な自分が、そんなことどうでもいいと感じるほどその子を想っていた気持ちとカスミソウを装備していた。
後日、二人で遊び再び告白。OKの返事をもらうことができた。

そこからは、ようやく実った「恋」という果実を大切に熟させることに尽くすことが幸せだった。
沢山出掛け、誕生日を祝い、記念日を祝い、送り迎えをし、成人式や卒業式も共にし、お酒を飲み、たくさん電話もした。
もちろん、揉める事もあった。多くは、悪気があったわけではないが私の言葉の配慮の至らなさのせいで怒らせてしまうことばかりだった。私が起こることはほとんどなかった。怒ることは苦手だ。私の短所。

それでも、誰よりも幸せな自身があった。日々が輝いていた。あの子は、多くの事を私に教えてくれた。

二年と数か月たったころ、揉める事が少し増えていた。そんな時、あの子に言われた
「付き合っていくべきか分からない、どうしたらいいか分からない」
それとともに、いくつか私の良くない点を挙げた。
苦しかった。
今までも、何度もあの子に振られたことはあるのに。

一か月、話し合った。どうにか考え直してくれないか。しかし、あの子は約五年間の僕に思いを受け止めることはしなかった。それを恨んでいるわけではない。あの子の人生、決めるのはあの子だ。
最後に、二人でご飯に行く日を決め、その日が最後になった。その日は、帰るときあの子が泣いた。泣きたいのはこっちだ。ただ、涙は出なかった。一か月いやというほど泣いたから。
あの子は、最後に「涙はちゃんと枯れる」ということを教えてくれた。



初めての大失恋だ。



それから、友達として何度か会っていた。私は、友達に戻るべきかどうか分からなかったが、あの子に「友達ではいたい」と言われ、弱っている時に離れるのがきついと思いOKを出した。私にとっては、「友達」は均衡点ではなかった。ただどうしても、「あの子の幸せ」願う思いと「自分の理想」が邪魔をする。


少しして、あの子の隣には他の人がいる。
これに関しては、書ききれないくらい絡まった話はあるが割愛。その話は、嫉妬とは別。私の中には、しっかりと屈強なフィジカルの嫉妬がいて、暴れるのを抑えるのに必死だ。(もっと筋トレしないとな)
それに加え、あの子を想う思いであの子に愚痴を私に吐き出すことを勧めた。それが自尊心を白アリのように食い荒らすことも知らずに。

割愛した話、嫉妬、ズタボロの自尊心。しっかりと私を檻に閉じ込めてタコ殴りにしてくる。

最近住む場所も変わり、たまに帰りのお迎えで会っていたりしたがそれもなくなった。あの子は、連絡も遅い。遠くなったね。



最後のごはんからもうすぐ一年。私の気持ちは変わらない。
これが「一途」なのか「執着」なのかも分からない。一途な思いも、振られ別れた途端に執着となりかねない。
とりあえず、行き場も正体も分からないこの気持ちを、誰にも迷惑をかけないように自分自身で包み込むしかない。チクチクしていたとしても包み込むしかないのだろう。




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