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[創作]見つけてくれた

高まる不安とノイローゼを超えて、見えた世界にはやさしさがあった。"あたたか"があった。

辛く苦しい過去はあっただろう。

どんなに峠を越えてみても、さらに高まる不安があったろう。

長い長い闇を抜けて、

あなたは今ここにいる。

自然はいつも私を見ていた。人は私を見なかった。

人は私を見なかったが、自然はずっと私を見てくれていた。

私が思い煩う春を送っていたときのこと、

私がどうしても嫌いだったあいつ。

でも今思えば、

あいつはとても愉快だった。

あいつはとてもやさしかった。

長い長い暗闇を、死なず絶望して歩んだそれだけが、そのものがすべて尊かった。

人は私を見てくれた。

永い永い孤独を抜けて、そこにはあたたかな春があった。

強く、青い、春があった。

1人で孤独で暗闇にいる時だけ、この世界すべてが敵となる。

暗闇にいるほど、みなが敵になる。

でもみんな、本当は素朴だった。

とっても、普通だった。

そうして私はその普通を、地獄を生き抜いた強さでもって歩いている。

普通の人たちの中で、苦悶とユーモアを知り抜いている。

やったことは無駄じゃなかった。

1人の孤独な暗闇は、"期間限定"だった‼︎

ここには青く素晴らしい新緑が、鮮やかに空へ続いている。

空は高く抜け、笑みが溢れている。

地には愛が包んでいる。

孤独とユーモアと共に、私は生きていく。

世界は私を見捨てない!!

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