《自由研究まとめ》 物価上昇は悪いこと?

先週のニュースで、餃子の王将が値上げすることが取り上げられていました。
マクドナルドも値段が上がるときにはニュースで取り上げられます。
庶民に愛されるお財布に優しいサービスの値上げは、ニュースで厳しく取り上げられています。

少し内容は変わりますが、物流業の2024年問題も大きく取り上げられています。ぼくたちの生活で身近なところでは、ヤマト運輸の送料の改定や、お届け日数が長くなり、実質的な値上げと考えて良さそうです。

一消費者としては、また値上げ、また値上げ、、と暗い気持ちになります。
以前買えてたものを我慢したり、レジャーに行く回数を減らりして、何とか切り詰めて家計をやりくりする日々です。

どうしても、少しでも安いお店を探してしまいますし、コストを抑えて販売しているのを見ると素晴らしい!と嬉しくなってしまいます。

ぼくたち消費者に染み付いた、もっと安いものを求めてしまい、買い控えをしてしまう感覚を、デフレマインドと言うようです。
ぼくは完全にこのマインドです。

今の物価上昇をどう捉えるとよいか整理してみました。


日本人に染み付いたデフレマインド

30代後半のぼくは、物心がついたときから商品の値段は上がらないもの、安くて早くて旨いことが最善と思って生きてきました。
むしろ当然とも思っていました。

吉野家の牛丼は200円代、マクドナルドのハンバーガーは100円代で食べれて、世の中のサービスは熾烈な価格競争をしていて、至るところで値引きがされていました。

製造業も格安を売りにして、賃金の安い東南アジアで商品を生産して、日本で販売する構図が当たり前でした。

そんな環境で育ってきたので、
もの値段は安いのがいいこと、
値上げなんて考えられない、
コストカットの企業努力は素晴らしい、
という感覚(デフレマインド)が染み付いて育ちました。

このデフレマインドの影響で、企業はサービスレベルを向上させているにも関わらず、価格競争に勝つためコストカットに切磋琢磨してきました。
その企業努力の成果は凄まじく、日本はサービス品質が高いのに、価格が格安なコスパ最強の国になっていきました。


何かおかしい?

ですが、何かがおかしいと感じはじめました。

日本にきた外国旅行客は、日本人では考えられないような金額で爆買いしていきます。(円安の影響を上回る規模の金額です)

日本の土地も海外の富裕層に買われていて、北海道のニセコは日本人ではなく海外旅行者に向けてリゾート化されています。
日本のスキー場なのに、価格が海外合わせた設定になっていて、日本人では手が出せないリゾート区画になってしまいました。

さらに、豊洲にできた千客万来もニセコと同じく、外国旅行客向けの価格設定になっており、日本人が週末にフラッと遊びにいけるような場所ではありません。

こうやって見ると、日本人は海外の人より貧しくなっていて、同じ基準で消費することができなくなっていることが分かります。


失われた30年

1990年代から30年間を、失われた30年と言うようです。

バブルが弾けて株価が暴落してから、株価はずっと低迷してきました。
2024年の今年、ようやくバブル期の最高値を超えたとニュースになっています。
実生活で好景気を感じられないので、株価だけ上がっていてまたバブルの到来なのでは…?みたいに感じてしまいます。

ですが、その間にアメリカの株価は、30年前に比べて10倍以上も上昇しています。中国に至っては、30倍以上も上昇しているようです。

経済成長を続けている先進国では、先端技術の開発や人口増加に伴って経済が成長しています。それに対して、日本はようやく30年前の基準に戻った状況です。

経済が成長すると所得が増えて、消費が拡大します。すると需要が高まるので、物価が上昇します。
ぼくたちが育ってきた日本は経済が低迷し続けていたので、物価が上がることが感覚として分かっていないのです。


賃金の上昇を伴った、適度な物価上昇

ニュースや政治家の言葉でよく聞く、賃金の上昇を伴った、適度な物価上昇の状態が続くと、好景気になっていくようです。

2024年の春闘で政府が強く賃上げを要請した背景には、今は物価だけが上がってしまい、賃金の上昇が伴っていないからです。
今年の平均の賃上げ率は5.2%で、1991年の5.66%以来の高水準ということで、ここでも30年来の伸びを示していました。

それでも一過性の賃上げではなく、これから給料が上がっていくんだ、という期待感が持てないと、消費が増えるところまでいかなさそうです。
消費者はまだまだ警戒しているので、社会的に好景気の雰囲気が漂わないと消費を増やすマインドまでは至らないでしょう。

一方、企業としては本質的に業績が上がらないと、継続的な賃金を上げていくことは難しいです。
企業の業績が上がり、新しい技術や産業が生まれて、将来的な成長が期待できないと実現できないです。
企業側も警戒しているので、内部留保を多く抱えてしまいます。


まとめ

物価だけが上がっていくことは、消費者の生活を圧迫するので良くないこと、というのは分かりやすいです。

賃金が上昇して、消費が増えて、緩やかに物価が上昇していく、そして企業の業績が伸びて、働く人に還元されていく。
この循環が続くと、経済が成長して好景気につながるので、賃金の上昇を伴った、適度な物価上昇は、目指すべく理想の状態と理解すると良さそうです。

ただ、その状態を実現するには、革新的な先端技術の開発や、新しい事業や産業が生まれて、日本全体に活気が生まれていかないと実現できないと思います。
政府の金融政策だけでは実現できないです。


個人の活動としては、勤め先からの賃上げは期待しつつも、会社に頼らず副業をしたり、自分で資産運用したりして、所得を増やしていくことが大切になると思います。

政府や企業に期待しないといけないところもありますが、自分たちの選択で状況を変えていくべきときです。

今の不安定な日本社会で生きていくには、個人の考え方を切り替えて、経済的に自立できると、精神的に充実・安定につながるのだと思います。

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