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平野を望み、吹き抜ける(エッセイ)

「涼し〜〜〜〜〜〜」

私は、山に近い道の駅の隣りにある公園に足を運んだ。

猛暑の中、少し歩くだけで汗は吹き出し、髪の毛のボリュームは膨れ上がってくる(笑)それでも、その公園にある2階建ての展望台に向かって進んでいく。

「もう少し、あともう少しっ……」

暑さでハァハァ言いながら展望台に辿り着き、息を切らしながら鉄の階段を2段登っていく。

2階へ辿り着き、ハァハァと屋根があり日陰になっている丸い展望台から平野を望んでみてると、着いた瞬間に風が吹き日陰になっている展望台の中へと吹き抜けていった。

サア〜と吹き抜けた風の、何と冷たくて涼しい事か。
汗をかいたおでこや体の熱を、冷たい風が掴んで一緒に連れて行った様だ。

「涼しー。気持ちがいいー」

風はずっと吹いている訳では無いから、風がなくなれば日陰でも暑い。

それでも、またサーッと吹き抜けていく風に体を思いっきり傾けていく。

体の熱を風にさらって貰いながら、私は展望台に設置してあった望遠鏡をのぞき込む。

生憎、空気が澄んでいなかった為、平野部を望むと、平野部は白んで見えて良く見えなかった。

けれど、高い所から望む景色は、私のココロの中を少し軽くしてくれる。

この軽さがずっと維持されるモノではないけれど、広がる平野を望みながら、その1つ1つの営みを想像するたけで、少しココロが落ち着いてくるのだ。

たまに吹き抜ける風を感じて涼みながら、私は自然の風の気持ちよさを肌で改めて感じる。

私が休んでいたら他の方がこちらに向かっていたので、私は退散したが、また、もう1度、此処に来られたら良いな。

そんな事を思いながら、私はまた、灼熱の芝生を進んでいくのだった。



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