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消滅可能性自治体

先日、日本創成会議から2024年時点での消滅可能性自治体の改定が公表された。自治体の4割は消滅する可能性が高いとの事だが、これに対して人口減少フェーズに突入している日本で出来る事はかなり限られていると思う。

個人的な感覚にはなるが、現在の日本の年齢別の人口構成だと今後は【人口10万人程度の経済規模が無いと公共サービスが維持できない】と思う。水道や電気だけでなく、ガソリンスタンドやスーパー、薬局や病院等、商圏内に人が少ないとコストが高すぎて維持ができない。田舎では高齢者以外の購入世代比率が多い商売は軒並み閉店して行っているように感じる。人口以外のの要因もあるだろうが本屋やコンビニ、食堂系の飲食店、服飾店なども無くなってきている。食品を扱うスーパーマーケットですら商圏が維持できない人口地域ではトラック等での移動販売になってきているし、公共交通機関も整備できずに乗合タクシー的なモノを自治体が運営していたりする。固定電話も僻地は【ワイヤレス固定電話サービス】になるらしいです。

リストに掲載されている現在3~5万人クラスの消滅可能自治体周辺は大体国道沿いに薬局と丼系のチェーン店、マクドナルド、ホームセンターだらけだ。大きめの会社がある地域だと上記に加えトンカツやラーメンのチェーン店があったりする。薬局とホームセンターはほぼ生鮮食料品も扱うスーパーが併設されているケースが多い。ここ数年でコンビニは新規出店が無く、体力的に限界を迎えたり疲弊したオーナーが閉めるケースが出てきている。
人口10万人位の自治体の所に行くとユニクロ等のファストファッション店舗やファミレスや回転ずし等のファミリー向け飲食店が増えてくる印象。小規模のショッピングモール的な店も見かける。ただ、このぐらいの人口規模でも駅周辺に昔からの商店街らしき面影はあるが、営業している店舗は少数で商店街として機能している所は稀な感じ。

病院も総合病院があっても3~7万人クラスの地域だと診療科が一部休診になっていたり曜日限定だったりが多い。地域の個人医院は内科と歯科だらけで小児科や産科、外科的な診療所はほぼ無かったりする。耳鼻科や皮膚科、精神科と言った専門は中々見かけない。専門外だが内科や外科の診療所が総合診療として初期診断をする感じ。

人口の少ない地域に住みつづける為には『生活コストは上がっていくが、コスト上昇を賄えるだけの給与の仕事が無い』事が最大の問題だと思う。実家暮らし以外では生活が出来ない若年層は家賃は高いが生活コストを抑えられて賃金の高い都市部に移住するしかない。その問題を解決する事を単純に考えれば全国に【近隣自治体を集約させて生活コストと仕事が両立できる規模の都市】を作ればいい。

問題は山積するだろうが、正直なところ人口減少は長期的に解消される事は無いのだから小規模自治体は消滅する事を受け入れ、10万人以上の規模の自治体になるよう集団移住をして小規模都市圏を形成させてその地域へ商圏や公共サービスを集中してコスト負担を軽減していく。居住圏の周辺に工業地帯や大規模農園等の生産地域を集約させてバス等の公共交通網も整備し、マイカー通勤を減らして環境負荷軽減策を図る。

青写真を考えるのは楽だが個々のお金を完全に無視した考え方で利権を手放せない人や先祖からの土地に執着する方やローンを組んで家を買ってしまっている人もいるので簡単に『土地捨てて引っ越せ』は無茶だろうな。どこかで実証実験が出来れば良いのだろうが、10万人規模で付き合ってくれるお人好しもいないだろうし、そんな事をのんきにやっているほど日本にタイムリミットは残されていないんだよな。

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