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【訃報】プログラミング言語「Pascal」の開発者ニクラウス・ヴィルト氏 死去 (89)

プログラミング言語パスカルの開発者 ニクラウス・ヴィルト氏が2024年1月1日に亡くなりました。89歳でした。

ヴィルト氏は1963年にカリフォルニア大学バークレー校で情報工学の博士号を取得しました。その後、スタンフォード大学やチューリッヒ大学で助教授として教鞭を執りながら、1965年に「Euler」というプログラミング言語を、1966年には「PL360」というプログラミング言語を開発しました。そして、1970年には教育用プログラミング言語として「Pascal」を発表しました。

Pascalは、プログラミング言語の一つで、1970年にスイスの計算機科学者であるNiklaus Wirth(ニクラウス・ヴィルト)によって開発されました。Pascalは、その名前を17世紀のフランスの数学者・哲学者であるブレーズ・パスカルから取っており、シンプルで明確な文法と構造が特徴です。以下は、Pascal言語の概要です。

  1. シンプルな構文: Pascalは、初学者にとって理解しやすいシンプルな構文を持っています。これは、プログラムの読みやすさと保守性を向上させるのに役立ちます。

  2. 静的型付け: Pascalは静的型付け言語であり、変数の型がコンパイル時に確定します。これにより、型の不一致に起因するエラーが実行時に発生しにくく、プログラムの信頼性が向上します。

  3. 手続き型プログラミング: Pascalは手続き型プログラミング言語であり、プログラムを手続き(手続きや関数)に分割し、それらを呼び出すことでタスクを実行します。これはモジュール化されたコードを作成するのに役立ちます。

  4. ポインタの制限: Pascalは、ポインタの操作を制限しています。これにより、メモリの管理が容易になり、セキュリティ上の問題を軽減しますが、一方で低レベルのメモリ制御が難しい場合もあります。

  5. クロスプラットフォーム: Pascalはクロスプラットフォーム性を考慮して設計され、異なるプラットフォームやアーキテクチャで動作するコンパイラが利用可能です。

  6. 教育用途: ヴィルト氏がPascalを設計した主な目的は、プログラミングの基本を教えるための教育用プログラミング言語としての利用でした。そのため、初学者向けの教材や学習リソースが豊富に存在します。

Pascalは初期のプログラミング言語の一つであり、その設計原則は後のプログラミング言語の発展に影響を与えました。また、DelphiというPascalをベースにした統合開発環境も存在し、ビジネスアプリケーションの開発などにも使用されています。


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