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もしもの朝

ドキドキした。
かつてこれほどドキドキした宝くじの当選番号があっただろうか?

PCを立ち上げ、宝くじ当選番号が記されているサイトを検索して開く。

私の手元には2枚の宝くじがある。
バレンタインジャンボとバレンタインジャンボミニ。
まどろっこしいが下1桁を最下位の当選番号から見ていく。

ない、ない、ない、ない……。
ん?? 下1桁は合ってるぞ。
2桁目はどうだ?
複雑な気持ちで確認する。

んー、ハズレかー。

ものの数十秒で結果は判明。
ジャンボもミニも外れていた。

ホッとした。
正直、ホッとした。
当選番号が外れていてホッとするなんてことがあるだろうか。

それがあるのである。

今朝、ふと思い立って一時保管のために引き出しに入れていた大事な郵便物を整理していたところ、封筒の中から2枚の宝くじが出てきたのだ。
なんでこの封筒の中に宝くじを入れていたのだろうか。
記憶は全くないのでわからない。

全国自治 宝くじ 第912回 バレンタインジャンボ 1枚
全国自治 宝くじ 第913回 バレンタインジャンボミニ 1枚

支払期間を見ると「令和5年3月15日まで」と記載されている。
今年は確か令和5年のはず。3カ月前に支払期限は過ぎている。

まあ、宝くじなんて当たるわけがない。最低の300円ならまだしも高額当選なんて、万に一つもないだろう。
どうせ、当たってないだろうけどね、、、とは思いつつも、
毎年何十億円もの宝くじが当選者が現れないままになっているとのニュースが頭をよぎる。
その度に、なんで買った宝くじの当選番号を確認しないんだ、あり得ないわー、と思っていた。
それが今朝、我が身に降り掛かってきたのだ。
当たるわけないじゃん、と思いつつも、こういうときに限って当たってるかもしれない。それが人生である。

もしも当たってたら? 支払期限は過ぎている。
一生の不覚である。
なんで、なんで、3カ月前に気づかなかったんだ!
バカバカー!
自分を激しく呪うだろう。
悔やんでも悔やみきれない。
死んでも死にきれない。
これから続く人生、一分一秒たりとも宝くじのことを忘れる時はないだろう。
そして死ぬその瞬間まで悔しくて涙するだろう。
ああ、そんな人生は嫌だ。

宝くじはいつものようにハズレていた。
当たらなくて本当によかった。
心底ホッとした朝だった。


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