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12.孤高の男とバイカーたち


LAS VEGASから3345mile
俺はいま
「HARRISON」
という街に向かっている
それにしても緑の中を走るというのも
なかなか気持ちがいいものだ

今までの景色は
岩肌むき出しの大地、荒野
その大地から滲み出てくる悠久の刻

ここに何万年も佇んでいる岩たち

そういったものを感じながら
容赦なく照りつける太陽の下、
灼熱の砂漠を走り抜けてきた

相棒と俺と大地

でも俺はそんな砂漠、荒野が大好き
バカみたいにデカい大地に身を投げ出すと
自分と言う存在がやけに小さく感じる
ていうか、
人間なんてちっぽけな存在だし(笑)

我々なんて
いとも簡単に吹き飛んじまう存在だ
そんなちっぽけな存在なのに
つまらないこだわり悩み
囚われていてさ・・・

ここ走ってみなよ
そんなくだらないもの全てを
風が洗い流してくれるから・・・

ただし

自然達が嫌うのは噓をつかれること
彼らにさ
心を開いて素直に向き合ってごらん?
純粋な気持ちで向き合った、
その瞬間、
爽やかで
心地良い風が心に流れ込むから・・・
心開いて素直で純粋な気持ちで向き合うと
癒されて満たされる

旅の初期の頃

さぁ
心の奥深く、
とてもデリケートな所を開放してごらんよ
全てを手放して自然に抱かれてみる
遠慮はいらない
誰もあなたのことを笑わないから
馬鹿にもされないし
嘲笑もネタにもされない
ただただ受け取ってくれて
癒し満たしてくれる
そして法外な値段も吹っ掛けられない(笑)
人間だって自然の一部
彼らとは仲間なんだ
彼らはいついかなる時でも
優しく受け入れてくれる

俺もいまそうやって
自然に抱かれながら
深い愛で癒されまくってる
でも俺の傷は深くて
もうちょい時間がかかりそうだって(笑)
俺はそれを不思議に思い彼らに聞いたんだ

「なんで俺には時間が掛かるの?」って・・・

筆者が愛して止まない一直線の道

そしたら
「だってお前は
 まだまだ過去にしがみついているからさ」
だってさ♫(笑)
ははは(笑)
ご名答!!!!

EL PASOまで262mile!
大好きなTEXAS州

・・・・・・・・・・・・・・・・・・

さて・・・
いま俺は
これまでとは違った風景
緑溢れるARKANSAS州の森を走っている

ここでは
木々の精霊の存在を強く感じる
時間もゆっくり流れているように感じる
そんな森の空気を
もっとゆっくり感じたくなった時、
偶然にも休憩所らしきスペースを見つけた
迷わず俺は相棒をそこに滑り込ませた
森の香りが気持ち良い

うるさい音とともに現れた突然の来訪者
森の住人達は様子を見るために
姿、気配を隠した
しばらく森は静かだった
張りつめた空気を感じる
まだこちらを伺っているのだろう
20分ほど経過した・・・
少しずつ賑やかに、
そしてようやく元の森の状態に戻った
俺は危険じゃないって判断されたのだろう
目を瞑り森と呼吸を合わせる
・・・・・・
う~ん・・・
自分に溶け込んでいく・・・

と、その時
ドドッドッ・ドッ・ドッ・ドッドド・・
重低音響かせながら近付いてくる音・・・
2台のHARLEY DAVIDSON
馬仲間だ
どうやら彼らは
俺の相棒の横にバイクを止めたらしい
少しだけど瞑想もできたし・・・
・・・
彼らに会いに行ってみるか・・・
彼らと握手して挨拶交わした後
色々な話をしているうちに
「そういえば何処から来たんだ?」
と聞かれた
「LAS VEGASから来たんだ
 相棒はレンタルバイクだよ
 つまり俺は日本からの旅行者ってわけ‼」
「おいおい、マジかよっ!!!!」
こういう時の
アメリカ人の反応は本当に面白い(笑)
のけぞって倒れそうな位の
リアクションするもんな(笑)
すっかり意気投合した俺たちは
その後夕方になるまで走ったんだ

マイカとその友人 この後しばらく一緒に走る
真ん中が筆者

で、給油で立ち止まった時に
「俺はこれからMOTELを探すよ」って言ったら
「じゃあ俺たちもついて行ってやる 
 この近くにSUPER8MOTELがあるんだ」
ということで今日の宿はそこに決まった
彼らとはそこでお別れ
ちょっとした出会いだが
凄く思い出に残る
でもさ・・・
初めて会っていきなり一緒に走る・・・
これって凄いよな・・・
やっぱバイクってすげぇ(笑)
人種も国籍も何もかも跨いじまう!!
「なにぃ?
 おまえバイク乗りだって⁇
 なに乗ってんだよ?
 あぁ?
 そうか、よし走り行くぞ」
これ、
真剣に、ガチでしょっちゅう起きる(笑)
バイク特権っつうのか、
とにかく「バイク乗り」は
半端ない威力を持っているってこと!!!!

まだまだ俺の旅は続く
明日はどんな出会いや喜びがあるのかなぁ

             続く・・・・・・

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