質と量
特にビジネスおいて議論になることのある「質と量」問題。
質と量のどちらを追い求めるべきか?
この問いは多く見られる。
結論から言えば、この答えは明白である。
量である。
質と量の議論はなぜ起こるのか?
そもそも質と量の問題はなぜ起こるのか?
特に営業現場に見られがちな質と量の問題。
その問いが発生される中で見受けられるのが、スキルのレイヤーが違う中での問いの混同である。
私が目にした短期的に結果を出しているセールスパーソンは、大抵独自の営業手法を確立しており自分に甘い場合が多いと感じる。
もちろん、結果は出しているので周囲も甘くなる。
なるべく楽をして結果を出したいのは当然のことだが、段々と楽をするベクトルが間違ってくる。質を言い訳にしてくるのだ。
そうなると天才以外は結果が落ちてくる。
一方で、長期的に結果を出し続けるセールスパーソンは、一見すると特徴がないことが多い気がする。(素人目には強みが見抜けない)
そして部下を育てることが上手である。
量をこなすことを重視する。
質と量の議論は、短期的に成功したセールスパーソンの言葉と、楽して結果を出すことを夢見る新人セールスパーソンと、セールスの裏技を夢見るマネージメント側の噛み合わないレイヤーでの議論であるような気がする。
人間は誰しも楽して成果を出したい生き物であるし、それこそが様々な進化の原動力である。
しかし、成果が出ない時に限って、質を上げようという声を耳にする。
もちろん、質は大事である。
しかし、マネージメントする側がそれを言っては終わりである。
質と量の再現性
ここで質問である。
例えば、車を営業をする際に誰かの真似をするとして、営業の質と営業の量、どちらを真似するべきであろう?
答えはもちろん両方である。
営業の基本(一定の質)がないままに量をこなしても結果は出ない。
下手な鉄砲は数を撃っても当たらないのである。
では、質と量の議論が本来必要な場面はどのような時であろうか?
答えは、一定の質が担保された時である。
営業の質が上がれば成約率は当然上がる。
しかし、ある一定のレベルに達すると、成約率には明確な差は生まれなくなる。下のグラフのようなイメージである。
質と量の議論は、本来、一定の営業スキルを持った段階からスタートする。
その上であえて言うと質よりも量を追うべきだ。
質を追うことよりも量を追うことの方が再現性が高いからである。
マネージメント側としては特に量を追うことが重要である。
打席に多く立つ
量を追うことの理由は再現性の他にもある。
それはどんなに質を上げても、100%の成約率は不可能だからである。
野球の世界は営業とは少し違うかもしれないが似た世界だ。
メジャーリーガー大谷翔平の凄さは言うまでもない。
質はもちろん異論はないだろう。
大谷翔平の凄さはそれだけではない。
打席により多く立っていることである。
2023年のエンゼルス時代の大谷翔平の成績は、
打数 497打数
安打 151安打(本塁打44本)
打率 3割(30.4%)
メージャーリーグで3割超えることはすごい。
しかし、それでも30%の確率なのである。
どんなにプロのトップ選手でも100%の成功率を続けることは難しい。
会社の事業でも同じだと思う。
ユニクロの柳井さんは、その著書の中で新規事業の成功率は10%と仰っている。
成功するためには、より多くの打席に立つことが必要である。
量は一番重要
さて、まとめとしては「質は重要であるが、それ以上に量はもっと重要」ということである。
量をこなすことは、簡単なように見えて難しい。
どんなに質が高くても、どんなに打率が高くても。
多くの打席に立たなければ目標に達することは出来ない。
質と量の議論は不毛な議論だと感じる。
しかし、いつの時代も量を軽視してはないらない。
量こそが最後に生き残るためには最重要である。
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