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活気のある商店街

高松丸亀町商店街


仕事で地方に行く機会が多々ある。
地方の商店街は、シャッターが降りて活気がないところが多い。
いわゆるシャッター通り商店街である。
しかし、香川県高松市にある高松丸亀町商店街は一味違う。

商店街自体が非常に綺麗なこともあるのだが、早朝時間帯でも人が多いのが特徴である。
商店街の周辺に飲む場所が多いので、夜間の人の多さは普通であるが、早朝に散歩をした際に、商店街を散歩する高齢者が多いのには非常に驚く。

普通の商店街と何が違うのだろうか・・・。

目を惹くのはマンションのポスター。
新築のマンションであるが、商店街の中にあるらしい。


商店街エリアの定住人口を増やす


商店街のイメージは、単純にお店が並ぶ姿である。
当然のことであるが、店舗の開店時間以外は人は存在しないし活気も失われる。特に深夜や早朝時間帯は当たり前だが人はいない。

ところが、高松丸亀町商店街では、夜間はもちろん、多くのお店が開店していない時間帯でも、犬の散歩や、早朝からあっているうどん屋さんの賑わいなどが見られる。老若男女を問わず多数の方々が歩いている。明らかに近くに住んでいる人達である。

そこで商店街を見てみると、商店街に直結したマンションが多いことに気が付く。また、商店街に直結する建物の2階部分にはクリニックなども見られる。

要は商店街を商店だけの街ではなく、住と医療、商店などを備えた本当の街としての機能を持たせたまちづくりを行なっているのだ。

2階3階にも施設が入るビルが多い
銀行もしっかりある
商店街直結マンションのギャラリーも商店街の中に
美術館も商店街すぐ
三越もあるし、ヴィトンもある
オシャレな店も多い

土地の活用スキームが参考になる


高松丸亀町商店街の土地活用スキームは非常に参考になる。
土地の所有 → 今まで通りの商店主などの地権者
土地の活用 → 共同設立のまちづくり会社が実施
もちろん地権者の合意形成が非常にハードルが高いことが予想されるが、商店街の価値向上や土地の価値向上などの共通目的があれば合意形成も可能であろう。
事実、高松丸亀町商店街では、所有と活用の分離によって非常に良い形での商店街作りが出来ており、賑わいが出ている。

また、秀逸なのは、
1階 → 賑わい創出の路面店
2階 → 付加価値のクリニックなど
3階以上 → マンション
と商店街の賑わいを維持しつつ、定住人口を増やすための高層マンションを併設している点である。
これにより、賑わいの創出と住民の利便性を同時に満たすことが可能である。良く考えてる・・・。

人が多くなるからテナントの誘致がうまくいくし、力のあるテナントが増えるという相乗効果もあるだろう。



商店街の立地は強みになる


地方の主要商店街の立地は、ターミナル駅まで近かったり、路線バスのターミナルがあったりと比較的に恵まれている。
一方で車社会の住民の視点で見た場合は、駐車場の不足や家賃の高さなどが足枷になっており、費用対効果が高いとは言えない。
しかしながら、商店街の近くで全てが完結するとしたら・・・。
高齢者のみならず、子育て世代にも恩恵が得られる最高の立地かもしれない。

商店街を、住みやすい街へとリデザインすることにより、新しい商店街の価値が生まれるではないか。
そんな可能性を感じさせてくれるのが高松丸亀町商店街である。

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