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【連載】還らざるOB(4)

 九州に一人仲間がいる。三菱である。質実剛健を絵に描いたような人間で、人一倍仲間を大事にするが、遠いので度々の旅行は無理である。本人曰く「心は皆といつも一緒に旅行に行っている」とのこと。
 
 ほかに横浜に一名仲間がいた。平崎である。彼は仕事が超多忙なため、最近合流する機会が無い。しかし、この仲間の中で一番皆を気遣い、グループのメンバーを思いつづけているのは、彼かもしれない。
 
 また、仙台にも一名の仲間がいる。海名である。彼は千葉出身で、その会社の取締役までなった人物である。男気があり、皆から好かれていた。
 
 新賀、信木、中田、羽田と九州と横浜と仙台の三名を除いた四名(野森、佐枝、田川、小平)のメンバー、それも、唯我独尊の彼らが台湾旅行の帰りの飛行機が墜落し、還らぬ人となってしまった。
 
 日本の旅行会社に連絡が入ったのがその事故の日の夕方であった。乗客名簿から、家族に連絡が入った頃は、テレビでどのチャンネルもその大事故を報道していた。家族はまさかと思ったが全員死亡の見込みと報道され、現実のむごさに打ち震えたのであった。

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