公立中学校の数学の知識だけで東京大学の入試問題を解いてみた話。
3以上9999以下の奇数aでa(a-1)の値が
ちょうど10000で割り切れるような
aを全て求めよ
2005年 東京大学
↑
この問題の意味は
3×2
5×4
7×6
・・・・・
9997×9996
9999×9998
という連続する二つの整数を掛け算する操作
を行っていく場合に
掛け算の結果が
ちょうど1万の倍数
になるようなもの
を全て求めなさい
という内容のもので
高校の整数問題の知識を用いて
解くのが普通なんだけれども
あえて、公立中学生の数学の知識の範囲内で
解いてみたわけである。
ここから、解説。
10000という数字を素因数分解すると
(2の4乗)×(5の4乗)
となる。
つまり
2万という数は
2×(2の4乗)×(5の4乗)
5万という数は
5×(2の4乗)×(5の4乗)
で表される。
ところで
連続する整数を見た場合
1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 ・・・・
連続する整数において
偶数が連続することは絶対にないし
奇数が連続することは絶対にない。
1万という数が
(2の4乗)×(5の4乗)
で表される以上
連続する2つの整数の掛け算の結果が
ちょうど1万の倍数であるならば
偶数部分はかならず
(2の4乗)=16
の倍数でなければならないし
奇数部分は必ず
(5の4乗)=625
の倍数でなければならない。
さらに奇数部分は「奇数」なので
625の倍数であっても
625×2
625×4
625×6
とかは偶数になるから不適。
ここまでくると
題意をみたす奇数 a の候補は
625×1
625×3
625×5
625×7
625×9
625×11
625×13
625×15
の8つにしぼられる。
(なぜならば 625×17>9999 だから)
この時、(a-1)の候補は自動的に
625×1 ー1
625×3 ー1
625×5 ー1
625×7 ー1
625×9 ー1
625×11 ー1
625×13 ー1
625×15 ー1
の8つに、しぼられる。
ここからは小学生の掛け算、引き算、割り算の
世界になる。
先に述べたように
題意を満たす奇数aが存在するとき
(a-1) は
かならず
(2の4乗)=16
の倍数でなければ
ならないから
625×1 ー1
625×3 ー1
625×5 ー1
625×7 ー1
625×9 ー1
625×11 ー1
625×13 ー1
625×15 ー1
の計算の結果
それぞれを16で割ってあげたときに
あまり無しでちょうど割り切れる
(a-1) の候補が
題意を満たすことになる。
あとは8つの候補について
それぞれ
掛け算、引き算、割り算をして
検算したら
わかるんだけども
題意を満たすa は
a=625
である。
この時
a(a-1) の値は
390000=39×10000
で一万の倍数となり題意を満たす。
という問題だったんだけども
要は1万という数字を素因数分解できれば
あとは小学生程度の倍数の概念だけで
解ける問題であった。
東京大学(理系)は
120点満点、
150分で6問を解くので
1問あたり25分かけれるとしても
このやり方なら10分かからず
完答できる。
医学部にあたる理科3類以外ならば
6問中、2問完答して
あとは部分点とって
5割にあたる60点をとれれば
数学に関しては
だいたい合格者平均を超える。
そんなこともまじえて伝えながら
5年前の今頃
当時、青森市 浪岡中学校三年生だった甥っ子に
私の解説つきではあるけども
東京大学の問題を解かせた。
「これからの努力次第で東京大学の問題も解けれるようになるんだよ」
というメッセージも込めて。
彼は県内トップの青森高校へ無事、進学した。
懐かしい思い出だ。
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