疲弊

サークル活動をしてたらまた頭がやられた。やっぱり社会生活は無理なのかもしれない。
もし年度末の変な時期に変なド素人がサークルに入ったのなら辞めるのもさもありなんと言う感じだろう。だが自分はそうではなかった。初段の状態で入部したのだから。
精々が3級程度の武術のサークルに初段で入るのだ。もちろん最初こそ浮くだろうが、普通は活動に参加しているうちに馴染めるはずだ。
しかしそうはならなかった。数年間のブランクは確かにあったが、地力も知識も飛び抜けていたはずだ。なぜこうなったのか、これは一重に自分の対人恐怖に由来するはずだ。
無論そこらの人間に殴り合いで負けるわけはないため、単純に恐怖というわけではではない。そこには嫌悪も多分に含まれている。社会生活に支障をきたすほど人間嫌いの念が強くなったのは以前所属していた2つのサークルにも原因の一端があるのだろう。
決してそれらだけのせいにはしない。相応の素質がなければこれほどまでにはならないはずだから。
そこにいたのは屑だった。「ゲームを作ろう」と言うからシナリオを書いた。何かを作ることには憧れがあったから。間違いなく出来は悪かったし、それについては恥入るばかりだ。しかし、そこからは全く進展がなかった。役割は振り分けていたし、それが完全に的外れというわけではなかったはずだ。もちろん1年程度で完成するとは思っていなかったが、それにしても半年間なんの進展もないのは異常だ。いっそ報告するその都度に「遊び呆けていてなにも進んでいません!」とでも言ってくれれば愛着を持てただろう。だがそいつらが吐いたのはその場しのぎの見え透いた嘘だった。もしかしたら今頃は完成に漕ぎ着けているかもしれないが、あらゆる繋がりを断ち切ったため確かめる術はない。
「初段になれ」と言うから1日に5局以上対局した。元々碁は結構好きだったからそれ自体は苦痛ではなかった。苦痛だったのは先輩との会話だ。先輩というと敬意を表しているようで心外だが、これ以外にそれとの関係を表す語彙を持ち合わせていないため仕方なくこう書く。口を開けば「死にたい」「結婚したい」だのと口走るのだからたまったものではない。対局の振り返りをしているときならまだいい。あろうことかそいつは対局中にそれを言う。集中しているときにそんな下らない言葉で気を散らさせないでほしい。自分の集中力が足りないと言えばそれまでだが、それにしたってマナーというものがある。そもそもお前が初段になれというからこちらはなけなし金と残り少ないモラトリアムを使って碁の勉強に打ち込んでいるのに、そんなやつがお前にお似合いの女性を紹介できるわけがない。それにサークルのそれほど親しくもない後輩に向かって「死にたい」と言ったところで何かが変わるわけがない。そう思ったのならまず精神科に向かうべきだが、この程度の思考も出来ないから鬱かつ15浪なのだろう。それが今生きているのか自分は知らない。先と同じく全ての連絡が通じないようにしたからだ。
もっと良い終わらせ方があったであろうことはわかっている。しかし声を聞くのも顔を見るのもアイコンが目に入るのも我慢できなくなったのだから仕方ないと思うし、何より自分がこの結果になって後悔していない。
無論まともな人間もいるであろうことは分かっているが、自分の経験から人間を嫌悪してしまう。そしてそんなこと知るわけがないのはわかっているが、新しいサークルもそれを打開できなかった。
ろくに社会生活を送れないのだから何かを作るしかないのだが、絵も音楽も複雑すぎて自分で作れる気がしない。残るは文字だが、日記すらまともに書けていない。しかしそれしか残されていないのだからそれに賭けるしかない。
どうせ芽が出なければ野垂れ死ぬだけだ。やるだけやってみるつもりだ。

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