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ステテコが脱ぎたくて

友達との待ち合わせは12時ドトールだった。
ラーメン屋に移動したのは12時半くらいだっただろうか。
熱いチャーシュー麺を、汗だくになってすすり、今日の服装は失敗だったと後悔した。
気温は最高22℃。
わたしが着ていたのは、タートルネックのフリースとジーンズ、ジーンズの下にはステテコまで仕込んでいた。(レギンスとも言う)
ラーメン屋から駅ビルに移動するまで何分かかっただろう。
暑い、とにかく暑い、ステテコ脱がなきゃ、トイレ行かなきゃ、わたしはそれしか考えていなかった。
友達との会話も上の空だった。
駅ビルでユニクロに飛び込んだ。
もはや、お目当てのヒートテック超極暖上下を買うことより、さっさと買い物を済ませてショッピングバッグを手に入れることしか考えていなかった。
脱いだステテコを入れるなにかが必要だった。
買い物は1分ほどで済み、わたしはショッピングバッグを手に入れトイレに駆け込んだ。
やっとステテコが脱げた。
暑かった。
たまらなく暑かった。
ステテコを脱いでも暑かった。
もう帰りたい。
さっさと帰りたい。
友達は、出身が遠方の人で、駅ビルからバスで帰る道筋を知らなかった。
いつもはわたしがバスターミナルまで一緒に移動してたけど、今日は友達を一人で帰らせ、わたしは駅ビルから一本で帰れるバスに乗った。
薄情だ。
自分勝手だ。
今ではそう思っている。
けれど部屋に帰り着き、シャワーで汗を流したわたしは心からホッとした。
天気予報をこまめにチェックして、気温に応じた衣類を選ぶ、その基本を改めて自分に叩き込んだ。
来週の日曜から、ガクンと冷え込むらしい。
買ったばかりの超極暖上下の出番だ、張り切っていこう、と思っている。





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