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作業所を退所するとき

精神疾患がある。
住まいは障害者グループホーム、仕事は障害者作業所だ。
けれど、わたしは1年半通い続けた作業所を、退所することになった。

きっかけは、施設長のミスによる、ちょっとした対人トラブルだ。
けれど、その対人トラブルは、こじれた。
施設長はわたしに、やんわりと、退所することをすすめた。

激怒してくれたのは、相談支援事業所の担当さんだ。
「とりこさん、なに笑ってるの!
わたしはこんなに怒ってるのに!」
わたしは担当さんに答えた。
「わたし、もうあの事業所でなくてもいいかなって思ってます」
そこで、今まで通っていたB型作業所をやめ、別のところに通うという方向で、話し合いがあった。
担当さんは言った。
「とりこさんは、A型作業所に行くより、週3〜4でパートをするとかのほうがいいと思います」
わたしは言った。
「週3〜4のパートに、障害者雇用はありますか?」
担当さんは、ある、と答えた。
そして、移行支援の事業所についても教えてくれた。

移行支援、というものの説明を受けても、具体的なイメージは、まだわいていない。
職業訓練に近いものだろうか。
そんな印象を持った。
担当さんは言った。
「移行支援に半年くらい通って、一般就労を目指すのはどうですか」
「一般就労してみて、どうしてもダメだったら、またB型作業所を探せばいいと思います」
同席していたグループホームの社長が言った。
「それ、いいですね」
わたしも、いい話だと思った。

今まで通っていたB型作業所を退所する。
しみティーに会えなくなるんだな。
ちょっとそう思った。
しみティーは、わたしが辞めると知ったらなんて言うだろう。
寂しいな。
ちょっとそう思った。
けれどわたしたちにとって、作業所は、訓練の場。
出会いと別れは常につきまとう。

最後にあの事業所に行くときは、お菓子を持っていこう。
人数分あるような、お菓子の大箱を買っていこう。
楽しかった1年半。
そこで得た、技術と自信。
よかったな、いいところだったな、と思う。
この思い出を胸に、今後も頑張っていこう。


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