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自意識過剰

数日前から気分転換を考えていた。
髪を金髪にしようかな、なんて思っていたけれど、それが似合う自信はなかった。
猛烈にイメチェンしたくなったのは、ゆうべのことだった。
ブリーチ剤がほしかった。
イオンネットスーパーでブリーチ剤を注文してみても、まだ気持ちは落ち着かなかった。
今すぐ金髪にしたいんだ!
そう思った。
寒かったけれど、ディスカウントストアに行き、ブリーチ剤を手に入れて帰ってきた。
お風呂場をなるべく暖かくして、髪をブリーチした。
まだ髪が濡れた状態で鏡を見た。
濡れた状態でさえ、髪色は相当明るくなっていた。
ギョッとした。
うわ!これはダサい!
乾かしてみよう、と思いドライヤーをかけた。
ダサい、ということには、全く変わりなかった。
わたしはしもぶくれのおたふく顔で、目が小さい。
ブサカワ、ダサカワ、そっち路線だ。
(まったく可愛くないというわけではない、と言い張る)
金髪、というほどまではいかなくても、相当明るくなってしまった髪色に、ブサカワ顔は完全に浮いていた。
スタイリッシュな要素はまるでなかった。
田舎のヤンキーじゃん!
村のヤンキーおばちゃんじゃん!
悲しくなった。
絶望した、と言ってもいい。
一晩眠り、今朝鏡を見ても、やっぱりわたしはダサかった。
不安に怯えながら、作業所に通所した。
作業所の男性アイドルAさんは
「おはよう、カラー変えたね」
と、サラリと流してくれた。
指導員のBさんは
「あっ!染めたね!いい色!」
と言ってくれた。
仲良しのしみティーだけは
「金髪になってる。前のほうがよかったなあ。」
と言ったけれど、だいたいみんな、わたしの髪色に好意的なコメントをくれた。
わたしは気づいてしまった。
別にブリーチしたからダサくなったわけじゃない。
もともとわたしはダサいのだ。
黒髪ダサ子が金髪ダサ子になって作業所にやってきた。
みんなにとっては、その程度のことなのだ。
自意識過剰、という言葉が猛烈に身に沁みる。
わたしったら、恥ずかしい。
ブリーチ剤は、明日イオンネットスーパーからもう一箱届く。
取っておいて、また半年後くらいにブリーチしてみようかな、と思っている。

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