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税金雑学シリーズ〜消費税〜インボイスが発行されない旅行予約サイト!?

 いわゆるインボイス制度が令和5年10月から始まって4ヶ月が経とうとしています。事業者の方ではないサラリーマンの方でも会社の経費精算関係では切っても切り離せない問題であり、昨年10月以降からは少し手間が増えてしまった方もいるのではないでしょうか?

 インボイス制度下では、会社の備品を買った際や接待で飲食店を利用した際に受け取る領収書等について、インボイスの登録番号をはじめ原則合計7項目の必須事項が記載されていなければ、結果的にその領収書を受け取った事業者が納付する消費税額が多くなってしまう仕組みになっているため、領収書を受け取る側としては注意しなければなりません。

海外旅行予約サイトはインボイスが発行されない!?

 仕事で出張をする際、多くの方が旅行予約サイトを通じてホテルの予約をしているかと思いますが、その際国内の旅行サイトを使用するとその旅行サイトからインボイスが発行されるようになっています(原則ホテルが発行するものですが、媒介者交付特例という取引の取次をする事業者も一定の要件があれば代わりにインボイスを発行できる制度があるため)が、Booking.com、agoda、Expedia等の海外予約サイトではインボイスが発行されません。

 このあたりはじゃらんや楽天トラベル等と並んで、結構使っている方が多いのではないでしょうか。実際、私が今担当している全国出張が多い上場子会社の消費税の確認をしていると、海外予約サイトを利用しているケースが毎月散見され、経理担当の方にも「海外予約サイトは使わない方向で周知したほうがいいですよ」と伝えているのですが、なかなか徹底が難しいようです。

 もっとも宿泊先に直接インボイスを請求すれば良いのですが、中には「予約サイトを介して宿泊した方には直接インボイスを交付しません」と明言しているホテルもあり、発行してもらうにもいざこざが生じる可能性が高いのであまりお勧めではないです・・

従業員の立替払いの精算ならインボイス不要!?

 これまでお話ししていた内容は、会社名義で直接予約をするような場合(会社名義のクレジットカードを使用して予約する等)なのですが、ホテル代を従業員個人が立替払いをして、後日会社が精算するという形をとっている会社の場合だと、「旅費交通費特例」が適用されるためインボイスが発行されなくても会社には何ら影響がありません。
 
 従業員の立替払いというのは出張先やその期間によっては一時的に結構大きな負担が生じることもあり、できれば立替をしたくないですよね。(私も国税局時代は毎月10数万の立替が続くことがあり、本当の自分の口座残高がいくらだかよくわからなくなったことがあります笑)
 そういった意向を踏まえて旅費の立替をさせないような仕組みづくりをした優しい会社の方が、実はこのインボイス制度下においてはそうでない会社よりもこの特例の恩恵を受けることができないという不利益を受けてしまう結果となり少し複雑な気持ちになります。

まとめ・・・

 従業員の立替払いで旅費の精算を行なっているならどの旅行サイトを使って予約しても問題ありませんが、立替払いをさせない優しい会社の場合は旅行サイトの使用先制限をされることが望ましいので、参考にしていただければと思います。


最後まで読んでいただきありがとうございました^ ^

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