ブラジリアン柔術を始めた人が買うべきものリスト

この記事ではよく挙げられるようなもの(柔術衣、ラッシュガード等)は基本的に載せていない。また、ある程度続けている人でも知らないものがあると思うので、初心者以外にも参考になるだろう。

必須

薬用シャンプー

まずは、必須のものとして薬用シャンプー。「必ず」買おう
接触系の格闘技ではマット菌と呼ばれるものにかかるリスクがある。マット菌について柔術界ではあまり聞かないが、柔術をやるものならば知っておくべきことだろう。
通常のシャンプーよりかはかなり高いが、抗カビ(マット菌)作用のあるシャンプーを柔術を始めたらすぐに買うべきだと思う。練習が終わったらできるだけすぐに風呂に入ろう。それができない場合はアルコール除菌でもいいと思う。

最近、アメリカの方では以下のような状況らしいので、日本でも気を付けるべきだろう。


道衣の洗剤

私はオスバンSを通常の洗剤と併用して使用している(同時に使用してはいけないので注意)。オスバンSは上の記事で知った。柔術を始めた初期の頃から使っていたので、使っていない状態と比較ができず効果がどの程度あるのかはわからない。洗濯後の匂いからするに、大丈夫だとは思うが。
他には、オキシクリーンなどを使用している人もいるみたいである。


爪切り

爪切りなど全員が持っていると思われただろう。私もそう思う。
必須品に爪切りがある理由としては、私の場合、足の爪の先端が割れる経験がかなりあったことと、グラップリングにおいては相手の手の爪で怪我をするということがしばしばあるため、爪は短くしておいたほうがいいという意味である。相手の爪による怪我は長袖のラッシュガードを着ていれば減らせるだろう。
足の爪は足の先端から1~2mm短くする長さにしておくのが望ましいようだが、その長さだと先端が割れることが多かったので、今ではそれよりも短くしている。ただし、これは個人のプレースタイルにも関係しているかもしれない。
足の爪の切り方に関しては2019年の情報と、2023年の情報で違いがあり、四角く切る(スクエアオフ)形と、丸く切る(ラウンドオフ)ものがあり、どちらが正しいのか正直わからない。

2019年

2023年


スポーツドリンク

スポーツドリンクも必須だ。スポーツドリンク以外の水分を運動時に摂取すると、体内のナトリウム濃度が薄まり、トイレに行きたくなったり、パフォーマンスの低下が引き起こされる。対して、スポーツドリンクだと濃度が調整されており体に素早く吸収される。実際に飲めばわかるが腹に溜まる感じが全くない。これは練習時の小さなストレスを減らし、練習の強度を高めるのに役立つ
柔術を始める人は大人が多いと思うが、大人の場合、練習量がそれほどとれない人が多数派だろう。そのような人にとって、1回あたりの練習の質を上げることは必ず考えなければならない。スポーツドリンクなら1回の練習あたり2Lのものでも200円未満で済む。金で解決できる問題はさっさと金で解決したほうがいいというのが現在の私の考えだ。
私はグリコのものを飲んでいる。ただし、これはかなり甘いので注意が必要。


以前に書いた記事で最後のソロドリルの部分を書いていなかったが、それがロードバイクのドリルであり、以下の2冊の本のことだ。

『サイクリストのためのストレングスとコンディショニング』
『ロードバイク スキルアップトレーニング』

もしあなたが柔術を始めてウエイトトレーニングの必要性を感じたならばまずはこの本を読もう。それからでも筋トレは決して遅くはない、というかこの本を読まずにやるトレーニングなどやる意味がないとすら思う
なぜロードバイクの本なのかと思うだろう。ロードバイクというのはペダルをこぐだけと言っていいものだが、そのペダルをこぐ動作が個人個人によって実に多様であり、無意識的に効率のいいこぎ方や姿勢を取ることを通常はできないのだ。そのため、意識的に一つ一つ小さなところから積み重ねてドリルを行い、動作を改善する必要がある。
そして無意識的に効率のいい、正しい動作を行えないという点においてはウエイトトレーニングも同様であり、ロードバイクと非常に近い。

『サイクリストのためのストレングスとコンディショニング』ではまず可動域のアセスメント(評価)から始まっている。ここで可動域に問題がなければ可動域内でのコンロール能力を強化するエクササイズ、問題があれば可動域改善のエクササイズを行う。詳しくは以下のブログを参照してほしい。

次に、『ロードバイク スキルアップトレーニング』について。この本は『サイクリストのためのS&C』と違い、筋肉と体の使い方を覚えることに重点が置かれている。初めの方に呼吸の仕方さえあるのが印象的だ。
どちらの本もウエイトトレーニングの簡易版と言えるトレーニングがあり、その点でも非常に役立つと思う。一般に、ウエイトトレーニングの低価格帯の本や動画はこうしましょうということは言うものの、なぜそうするかといったことやそれをする前のトレーニングには全く答えていない。初めに書いたように、そういう意味でこれらの本はウエイトトレーニングを始める前に必ず読むべきだと思う。
また、どちらの本も実際に自転車に乗って行うトレーニングは一切ないので、ロードバイクを所持してない人でも可能だ。ただし、ケトルベルやフォームローラー等の道具は必要だが。


以下の本は読んでいないので勧めるというわけではないが、柔術と同じくドーピングが蔓延している(していた?)ロードレース界の事情を知ることは、現柔術界を理解することの参考になるのではないだろうか。




余裕があれば

洗濯ブラシ

洗濯ブラシは道衣を直接洗うときに使用する。白の道衣の場合、洗濯機で洗っているだけだと、汗で変色してくる。それを防ぐためには手で洗うといいらしい。私はFreddy Leckというものを使っているが、かなり疲れる。ブラシを買う際は長めの取手がついているものを買うことをお勧めする。ただし、木の手触りは気に入っているので使えるうちはこれを使おうと思う。


ニオイケア品

一部に年齢のせいなのか道衣のせいなのか、耐えられないというほどではないにせよ、スパーをするにはあまり気の進まない匂いの人がいる。そもそも道場で風呂に入ってなさそうな人を見たことがないため、おそらく風呂というよりも生活習慣といった内的な要因から発するものだと思うので、ボディソープで改善できる類のものではないのだが、それでも自分の匂いには気をつけることを勧める。要因が特定できないため、推奨できる品はない。


柔術衣袋

柔術衣を入れるものとして、ナップサックを使うとさまざまな問題がある。

  • 匂いが漏れ、カバンにも着く。

  • そもそも小さい

  • 材質によっては周りのものが濡れる

どこかのブログで見たのだが、柔術衣袋としてドライバッグを使用している人がいた。それをまねしてみると、匂いがほとんど気にならなくなり上の問題が全て解決された。
以下は私が使用しているものとは異なるが、このようなものがドライバッグだ。アウトドアにおいて防水のための袋として使用される。注意点として、おそらく10Lのもので柔術衣が入るギリギリだということだ(メーカーによってサイズ感が違うといった話も聞く)。なので、ラッシュガード等も入れる場合は15L以上のものも考えたほうがいいだろう。


医療品(氷のう、テーピング、ファールカップ、マウスピース、フォームローラー)

・氷のう
柔術をしていると、いつかは必ず怪我をする。その怪我が捻挫の場合、冷やすのが標準的な応急処置となる(RICE)。私は過去に(柔術以外で)2回同じ箇所を強い捻挫にあったが、2回目の時は挫傷後すぐに冷やすと、その後の痛みが全く違った。1回目の時は痛みが数ヶ月は続いたのにである。この経験から私は捻挫が起きた際はすぐに冷やすようにしている。もっとも、私も毎回の練習で氷は持っていくのは面倒なので、氷は何かあった後でコンビニで買えばいいと思う

・テーピング
テーピングは怪我の予防や後に、関節の可動域の制限あるいは固定を目的として使用される。部位によって(手の指や足)必要となるテーピングの幅は異なる。オープンガードをする人が指に巻いている印象がある。指に使うものとしては以下のものがメジャーだと思う。

・マウスピース
マウスピースは一般的なイメージとしては歯が折れるのを防ぐ為だろう。しかし、それ以外の効果もある。自分で自分の舌を噛むのを防ぐ意味もあるのだ。あとは人間は力を入れる際に歯を強く噛み締めるので、それによる歯の消耗を軽減させる理由もある。私はまだ作っていないが、1万円ほどで作れるそうなのでそのうちオーダーで作りたいと思っている。
・ファールカップ
ほとんどの人はファールカップをつけていないし、また必要もないと思うのだが、たまに打つことはあるので不安な人は着ければいいと思う。
・フォームローラー
フォームローラーが出た当初はまた新しい謎のものを作って、売りつけようとしているなという邪推をしたものだが、どうやら実際に効果があるらしい。最初の方に挙げた『サイクリストのためのS&C』でも使用されている。


EPA、BCAA、プロテイン、etc

スポーツドリンクの項目において書いたように、1回あたりの練習の質はできるだけ上げ、金で解決できる問題は金で解決したほうがいいという考えを私は持っている。そして、社会人なら柔術の疲労を翌日以降につなげたくないという思いがあるだろう。 そのため、私はEPA、BCAA、リカバリー用プロテインを摂取している。
EPAは青魚に多く含まれている成分で、さまざまな効果があるが、スポーツにおいては持久力向上、疲労回復の効果がある。私はサバ缶や魚肉ソーセージをたまに食べている。
 BCAAは、必須アミノ酸9種のうちの3種を指す。EAAは必須アミノ酸を意味し、EAAの中にBCAAは含まれる(EAA ⊃ BCAA)。ではなぜEAAではなくBCAAを挙げたのかというと、BCAAは運動のパフォーマンスを高め、疲労回復効果があるということを知っておくのが大事だと思うからである。買う際は普通にEAAを買えばいいと思う。私は EAA ⊃ BCAA を知らずにBCAAを買った。

私はプロテインではリカバリー用プロテインを飲んでいる。リカバリー用プロテインは疲労回復に重点を置いたものらしい。私が前に買った時は、savasのプロテインはおおほそ3種(パフォーマンス重視、リカバリー重視、審美重視)×3グレード(プロ、アスリート、無銘)だった気がするのだが、今サイトを見ると違うらしい。また、私が飲んでいるプロテインも昔と比べると3千円ほど値が上がっている。この価格ならさすがに次は買うつもりはない。


炭酸水素ナトリウム(重曹あるいはベーキングパウダー)
私は炭酸水素ナトリウムは摂取してないが、単回の高強度運動や間欠的な高強度運動時のパフォーマンスの向上に役立つらしい(注1)。ただし、下痢や胃の膨満感といったデメリットがあるので注意。
サプリの情報源として『スポーツ栄養学』の7章では「医薬基盤・健康・栄養研究所」が運営する『健康食品』の安全性・有効性情報オーストラリアのスポーツ科学研究所(AIS)が運営するサイトが挙げられている(本ではhttps://www.ais.gov.au/ais/nutrition/supplementsとなっていたが、アクセスできないので変わったのだと思う)。
AISではサプリをA-Dの4段階にランク付けし、Aに分類されたものは特定の摂取法かつ特定の状況かにおいては効果が期待できるサプリとして認められている。炭酸水素ナトリウムはAISにおいてAに分類され、スポーツドリンクやカフェイン、クレアチンなどもAである。
(注1)寺田新.『スポーツ栄養学』.東京大学出版会.2017.p.231

・アサイー
私はアサイーを飲んだことはないのだが、アサイーはブラジリアン柔術、というかブラジルに大きく関係がある。そして栄養がいいらしい。いつかは飲みたいと考えている。


身体測定用のメジャー

柔術を続けていくと、道衣やラッシュガードが欲しくなるだろう。そんなとき、海外のサイトだとサイズ表に胸囲や胴囲といったものしか記載がないものがある。
私はこれを使用している。

睡眠グッズ

睡眠グッズと言っても紹介するのはアイマスクと遮光カーテンだ。最新の道具のようなものは使用してないのでわからない。
部屋の明るさは睡眠の質と関係しているらしいので、安い価格で試せるものは試してみてもいいだろう。
・アイマスク
私は最初に普通の眼鏡のような形のアイマスクを買って使ってみた。結果、鼻の形にフィットせず、そこから入る光がストレスとなっていた。そのため、2つ目に呪術廻戦の五条悟のようなアイマスクを購入した。これだと光は「ほとんど」気にならないレベルになった。

・遮光カーテン
遮光カーテンには等級があり、それによって、光の遮断具合が異なる。
私はニトリで99%以上やったらどれも変わらんやろという考えで2級のカーテンを購入した。実際に使ってみると、確かに今までのものとは格段に違ったが、しばらくたつと気になる位の程度ではあり、完全な遮光ではない。
また、カーテンそのものの質以外にも、カーテンと窓の間により漏れる光も考慮しないといけないとわかった。

以上の2つのものを購入して使っているが、睡眠の質が変わったのかと聞かれると、正直わからない。使わないよりはマシになっているんじゃあないのかなという風に考えている。
そのうちちゃんとしたマットレスでも買えばそれも追記するかもしれない。


本当はロードバイク以外の必要な本も書いてみたかったのだが、長くなりそうなので別の記事で書くことにする。


補足

必要なものの順番の意図は、まずは他人に気を遣って、その後に自分のパフォーマンスを上げようという意味。柔術はコンタクトスポーツの中でも人との距離が近く、コミュニケーションが重要なものだと思う。そのような事情のため、他人との交流において障害となるものはできるだけ減らしておきたい。

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