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夏は!ねばやん!!

 僕の中で夏の代名詞と言えばこのバンド、ねばやんことnever young beachであります。軽快なリズムと力の抜けた歌唱が何とも耳に心地良い。海の家とかでかかってそう。

 個人的には早めに大学の授業が終わったクソ暑い日、座りたいがためにダラダラと普通電車で帰ってる時にこのバンドを聴いていた時が「あ、夏だな」の最高潮でした(家でガリガリ君を冷やしていると尚良し)。

 全体を通して60s~の日本語ロックサウンドに影響を受けており、言葉選びも日本人の叙情性が感じられどこか懐かしい。目まぐるしい日々の生活の疲れを「まあよければ一旦座って僕らの音楽でも聞いてくれ」と言って癒してくれるような音楽だと思う。ただ、ハマりすぎると脱力感が取れなくなってしまい授業とか就活とかどうでもよくなってしまうので注意。

 ねばやん好きの人間なら共感すること間違いなし、彼らの大きな魅力の一つといえばやはりライブだと思う。くるりの岸田繁に「日本で一番ギターうまいんじゃないの?笑」と言わしめたサポートギタリスト岡田拓郎(優河・柴田聡子)に加え、同じくギターの下中洋介(DYGL)、キーボードの香田悠真(映画音楽家)の三人の鉄壁サポーターと共に、いとも簡単に“ねばやん空間”を作り上げてしまう。彼らのセットリストの特徴として、最初の3~4曲にメジャーでアップテンポな曲をもってきて、一気に会場を温めるというものがあるのだが、われら観客側のエンジンのかかり方といったらそれはものすごいものである。鳥肌と興奮が収まらないまま、あっという間にラストの「明るい未来」まで駆け抜けてしまう。

 ボーカルで作詞作曲の大部分を担う安部勇磨の気の利いたMCも人気の一つである。MCとは恐ろしいもので、どんなにカッコいいバンドでもMCがどうしようもなく共感性羞恥で一気に萎えてしまうこともあるのだが、彼の場合はミュージシャンには珍しくむしろMCを武器とする人間である。飾ったことを言わず、親しい距離感でコンスタントにちょっとだけおもしろいことを言い続けられるのは大した才能である。

 あまり聞いてて気持ちの良くないニュースが日々流れ込み、自分の目の前のことに精一杯になりながらせわしなく過ぎ去っていく21世紀のこの日々に、ゆっくりと、それでいて真っ直ぐに「明るい未来」を想起させてくれる彼らの音楽は時代を超えて必要とされるだろう。


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