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僕はバイクに乗っている

ドッドッドッドッドッドッ

豪快な音を鳴らしているのは愛車の
ハーレーダビッドソン。
1991年製造の僕と同い年の相棒だ。


僕は16歳で中型免許を取得してから今もバイクに乗っている。
実は16歳になる前からバイクには乗っていたのだけれど、それはもう時効だ。

途中何年もバイクに乗らなかったりしたが、僕はやっぱりバイクが大好きで2年前に大型免許を取得した。


同い年のハーレーに乗るという目標ができたのだ。


そうなると運命の歯車はすぐに動き出した。


家の割と近くに格好いいハーレー屋さんがある。
ずっと店の前を通っていたけれど、今まではなんとなく通り過ぎていたお店だ。


いざハーレーに興味を持つと、そのお店が気になって仕方がなくなった。
ちょっと緊張しながらも問い合わせた。


後日お店に伺うと、強面の大男が出てきた。
ここの店主だ。

しかし見た目とは裏腹に本当にハーレーを愛している優しい店主だった。


無知な僕にハーレーについて色々と教えてくれた。
僕は乗りたいハーレーを伝えてこのお店で探してもらう事になった。


車好き、バイク好きの方なら分かると思うが
それからの僕はもう、それはそれはYouTubeを観漁る毎日だった。


納車前の習性である。



そこから数ヶ月後、希望通りのハーレーが見つかったと店主からの電話。


僕は現物を見ずに即答で購入を決意。
それほど、このお店の店主を信用できていたのだ。


「凄く綺麗で状態もいい。届いたら一回見においで」


初めて見た相棒は言葉で表せない格好良さだった。
早く乗りたい気持ちが津波のように押し寄せてきたが、興奮する気持ちをなんとか落ち着かせた。
なにせこれから一生乗ると決めたバイクだ。


僕の前に詰まっているお客さんの納車の後に
足回りからエンジンからほぼ全ての部分を整備してからの納車だ。


気が遠くなったがあまり考えないようにして待つことにした。



バイクを買ってから約1年後。


とうとう納車の日を迎えた。


実はこのお店は結構有名。
それでいて人気店なので、1年待ったがおそらくとても急いで納車をしていただけたと思う。


有り難い。


感謝の気持ちを込めてエンジンを掛ける


キュルキュルキュル


ドンッ!!ドッドッドッドッ


地鳴りのような轟音と共に絶好調なエンジンが唸りをあげた。


最高の瞬間だった。


それから僕はまたこの相棒と共にバイクライフを歩むことになった。


ドッドッドッドッドッドッ


僕はバイクに乗っている。


ドッドッドッドッドッドッ


夜の湾岸線を駆け抜ける。

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