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【詩】彷徨い糸

結ばれることを
願っていた糸は
いつのまにか立ち消えて
連絡のない時間に負けて
世間がどんな日かって
きっと私たちは何も知らなくて
どんな月が浮かんでいるかも
何も知らないまま
もとの他人になってしまった
世界が反転した
ただ夢が解けただけ

君が何をもっているかなんて
そんなところ見ていなかったのに
君の髪が何色かなんて
気にしていなかったのに
君は君のままでよかったのに
中途半端なまま
別れてしまった

君を救えると思っていた
わたしの驕りだった
徐々にわたしが
壊れていく
わたしが溶けていく

老いに食われていく
きれいだったわたしを覚えていてほしい
君がきれいだといったわたしの眼


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