見出し画像

音楽の聴き方回顧録

元気がない時は、気持ちが沈むままに自堕落に過ごすか憂鬱な自分に酔ってみるか明るい音楽を聞いて少しでも楽しい気分にしてみたりする。
まあ大体はスマホをいじりながらダラダラとただ時が流れるままに無為な時間を過ごして終わるのだけど。

最近、悲しい時とか元気が出ない時とか、なんとなく感情を揺さぶりたい時には決まってジャニーズWESTの『ムーンライト』の動画を見る。METROCK2022で披露したバージョンだ。

アップテンポで明るくて気分が上がる曲や、前向きになれる歌詞の曲が好きだ。
バラードを聞いてしっとりと浸りたい、と思うことがあんまりなくて、「好きな曲は?」と聞かれてもバラードを挙げることはほぼない。

MDが一般的だった頃、アーティストもバラバラに好きな曲だけを詰め込んだオリジナルの“BESTな1枚”を作ったりしていた。それをシャッフル再生する。どこを切っても好きな曲しか流れてこない、最高だ。
ストリーミング配信が主流となった昨今、大抵の楽曲は探せば電子の海を漂っていて、いつどこでも好きに聴くことができる。
当時はMDの限界74分ギリギリまで詰め込んで、それでも入りきらない時はもう1枚お気に入りの曲を詰め込んだものを作って、気分に応じて入れ替える…などの手間があった。
MP3プレーヤーというのが出てきて容量にはかなり余裕ができたけれど、何GBというあらかじめ決まった器である以上、物理的に限界はある。無節操にiTunesに登録した楽曲が、16GBのiPodに入りきらず泣く泣く聴く頻度の少ない曲を削除したことも、今となってはいい思い出だ。

今や、電波さえあれば限界がないと言っても過言ではないストリーミング形式になって久しいが、気づけばかつてのように気に入った曲だけを集めて聴くのではなく、同じアーティストの楽曲の中でシャッフル再生をすることが多くなった。
昔みたいに好きな曲を集めてあれとこれとを同じところに集めて…ということをするのが面倒になってしまった、というのも理由の一つだろう。
ただそれだけじゃなくて、同じアーティストの、複数枚のアルバムをいっぺんにシャッフルすれば、アーティストによっては1日あっても聴き終わることのないプレイリストになる、それが一番の理由であるように思う。

アーティストという括りでシャッフル再生をするのは、MP3プレーヤーやiPodなどのデジタルオーディオプレーヤーの段階で可能だったはずだ。
だから厳密には、私の今の音楽の楽しみ方はiPodの頃から顕在していたのだと思う。

同じアーティストを聞き続けることに対して強いこだわりがあるわけではなく、むしろ毎日聞き続けていると、そろそろ違う曲が聴きたいなと“味変”したくなってくるものだ。

ここでやっと冒頭にバラードの話をしたことにつながるのだけれど、バラードとか落ち着いたメロディの曲が続くとシャッフル再生であれ飛ばしてしまうこともあって、途中で曲を飛ばすことなくずっと聞き続けるアーティストというのは、私の場合かなり少なかったりする。

冒頭でも書いたように、アップテンポや明るい曲調が好きなので、お気に入りの曲としては明るくキャッチーな曲を選ぶことが多い。
でも、アーティストの在り方として、1枚のアルバムの中で全く違う曲調が同居しているようなやり方は、個人的にものすごく好きだ。この人たちが“できること”の幅広さを見せつけられていると思うと、その自信たっぷりで前のめりな姿勢にワクワクする。
一方で、アルバム1枚でひとつの世界観を作り上げるのも良いなと思うし、1曲目から順番に物語を綴るやり方をしているのであれば、シャッフル再生はやめて、曲順に従おうと思う。サンホラとか…

話が逸れてしまった。
アルバムの方向性とかそういうのは、創作・ものづくりをする人に対する憧れとかリスペクトのようなものもあって、また別の話になるのでいつか折を見て考えてみたい。

話を戻すと、曲を飛ばすことなく、いつでも聴いていられるなと思うのは、UNISON SQUARE GARDENとか9mm Parabellum BulletとかSUPER BEAVERとか。
たまにサカナクションみたいなテクノっぽい曲に揺蕩ってみたり、andymoriやTMGEの歌詞で頭ぶっ飛ばしてみたりもする。
そして、この記事のはじめにも貼ったジャニーズWESTだ。

中高生の頃にはロキノンを読んでなんか知った気になっていたけれど、実際聞いたことのあるバンドは少なくて、流行りの曲とかもワンテンポ以上遅れて知ることが多い。
だから今、ストリーミング系のサービスやYouTubeでこんなにも潤沢なコンテンツに触れられるのはとてもありがたいことだ。

音楽って漫画や小説と違って直に感情を揺さぶれるのがいいなと思うしズルイなとも思う、みたいなことを、かつて通っていたサイトの管理人さんが日記に書いていたのがすごく印象的で、これは一生言い続けてしまうと思うんだけど、“創作物”として同じラインで並ぶとやっぱり音楽はズルイなと思ってしまうのだ。
っていう話を本当はしたかったような気がする。気づいたらこれまでどんな風に音楽を聴いてきたかというだけの話になってしまった。
ので、音楽はズルイという話はまた今度。

ストリーミング配信で、知らないアーティストの曲を、曲名も確認せずにシャッフル再生していると、曲名が覚えられないよね、というのもまた別の問題である。イントロクイズができなくなるよね〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?