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【小学校受験】「一対多対応」と「置き換え」は同じやり方で3秒で解けるようになるよ【お受験】

「一対多対応」、「置き換え」、「(シーソーの)釣り合い」あたりを、それぞれ別の単元だと思ってるご両親は危険ですよ!

一対多対応は掛け算と割り算

典型的には、

(第1問)
車が3台止まっています。車輪は何個でしょう?その数だけ○をかきましょう。

みたいな問題ですね。
これだけであれば、作業として車1台につき○を4つ描けば正解にはなります。

ただ、難関校になると

(第2問)
アメが6個入っている箱が2箱ありました。お母さんは、4人の子供に同じ数ずつアメを分けてあげました。一人何個のアメをいただけるでしょうか。

という感じになります。ましてや、これがお話の理解の一環として出題された日にゃあなた。フリーズするお子さんもいます。

置き換えは比の合成

さて、置き換えの問題というのもあります。

(第3問)
葉っぱ2枚とどんぐり1個を交換できます。どんぐり3個とりんご2個を交換できます。りんごを1個もらうには、葉っぱは何枚あればよいですか?

みたいなやつです。
これは、シーソーの問題の形をして登場することもあります。例えば、

(第4問)
○2つと△3つとが釣り合い、□1つと△2つとが釣り合うとすると、○が8個ある時、□を何個用意すれば釣り合うでしょう?

(大抵、シーソーの絵が描かれているペーパーで出題されるので、重さ比べの問題と勘違いするお子さんさえいます。)

みたいな問題です。

つまり、葉っぱ6枚=どんぐり3個=りんご2個、とか、○4つ=△6つ=□3つ、というように連比にするようなことをします。

(「どんぐり」や「△」が媒介変数的な役割だと捉えてもいいんですが、ちょっと違うし無駄にややこしいので、比の合成くらいで考えていいんじゃないかと思います。)

お作法に潜む罠

さてここで、これらを全部別々に「こういう時はこう解く」「こういう時はこう解く」と教えると、あっという間に応用の効かない子供の出来上がりなので、もうちょっと工夫したいところです。

どの問題についても、数をどう整理すればいいかが肝になっているというのはご両親ならお分かりだと思いますが、子供が自力で工夫してその方法を編み出すのは難しいので、「こういうふうに考えるとどうかな?」みたいに、ある程度は促してあげたほうが、「キー!なんでそんな周りくどいことやってるの!」とか「○描くのもうやだよう!」といったような無駄な感情の浮き沈みを抑えられるので、お互いの身のためだね、って話になります。

で、どう促すかというと、第2問を例にとると、↓のように描いてみせたりします。

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「え、何これ、普通じゃない?」と思われるかもしれないのですが、ところがどっこい。
ある程度お受験のお作法に慣れているお子さん(特に女の子がこうなることが多い印象)は、↓のように描くんです。それでわけがわかんなくなっちゃう。

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あー・・・。と思い当たる方もいらっしゃいますよね。

そうなんです。ここが意外にもトラップなんです。

お教室では「○は、5つずつまとめ、少し間を空けて、同じ大きさで、素早く描きましょう」と習うと思います。採点してくださる先生の可読性を高めるための配慮ができる子(というか、そういう躾をしている家庭)アピールのためにも、10をひとまとまりの数として捉える助走段階としても、これは大事なことなんです。確かに。

しかしこれ自体、5歳児には割と難易度が高いようで、最初はみんなしっちゃかめっちゃかな回答欄になっていまして、それでもなんとか5こずつまとめて描くのに慣れてきたところに、今度は「○の描き方を工夫しろ」とか言われて、小さな戦士の頭は大混乱です。

ということで。もしも、このトラップにハマったら、一旦お作法のことは忘れて、「ああ、『6が2つ』っていう状態と『3が4つ』っていう状態とは同じ(数)なんだなぁ」という感覚を味わう時間を作るといいんじゃないかと思います。

将棋やオセロの盤が使える

こういう簡単な素因数分解とか公倍数とかを味わうのに役立つなぁ、と思ったのが、将棋の盤です。縦横9マスなので十分に広いし。
8マスになるけど、オセロでもいいと思います。

おうちにこれ系の盤がありましたら、駒を並べて数えて味わってみてください。

これをやると、大抵の問題は聞いてるうちに答えが脳内に映像として浮かぶようで、「鉛筆持って、はじめ!」の3秒後には正解をかいて終われます。終われてました。

「あれ?何しようとしてたんだっけ」事件

うちの場合は、まず何も教えずにやらせてみたところ、試行錯誤の末に○をたくさん描き、恐ろしく時間をかけて解いていました。そりゃ解けるだろうけどさぁ、っていう。

そこで、時間を測り、そのタイムを本人に伝えると愕然としていました。こうして「嗚呼、これはどうにもあかんな」と本人が痛感したところで、「骨折り損のくたびれ儲けだから、万力込めるのはおしまいにしよう。」と合意しました。

下手すると、必死に○を描いているうちに「あれ?何をしようとして○を描いてたんだっけ?」となるんですよね。これが本当にしょっちゅう起こります。大人でも(大人こそ)ありますよね、こういう事件。私は毎日あります。

でもこんな事件を起こしている暇はないので、素因数分解を味わう時間を設けてみるのをオススメします。

ちなみに、お気づきかと思いますが、大方、2、3、5の倍数絡みなので、その辺に慣れ親しんでおけばいいかなと思います。7とか11とかがモチーフになってる問題は見かけたことないです。

一番あかんやつ

一番の悪手は、闇雲に九九を覚えさせることでしょうね。。

この時期に養ってほしい力って、何かに直面した時に「これは何だろう?」と観察したり、「こういうふうにできるかな?」と工夫したりする柔軟性やら思考力やらだと思うんです。

もちろん、電車をマニアックに暗記するとか、国名を暗記するとか(愚息は国旗マニアでした)、そういう「とにかく好きで好きで覚えちゃった☆」みたいなのはいいと思うんです。そういう脳味噌の作りになってるお年頃ですし。だから好きで覚えちゃうなら九九も覚えちゃえばいいと思います。

でも、無理やり覚えるとか、意味分かってないのにただ暗記するって最悪じゃん。と思います。

「あー、世界って面白いなー」って思いながら成長していくのを後押ししたいがために小学校受験をするのに、それと対極にあるような教え方じゃぁ、アレですよね。


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