8/1 『キングダム 大将軍の帰還』を観た

『キングダム』の映画は1作目は映画館で観たが、2作目3作目は観ていなかった。こないだテレビでやっていたのを録画して観た。3作目はえらいところで終わっていた。映画館で観ていた人たちはさぞ待ち遠しかったろうに、俺はこんなすぐに観に行けちゃってなんか悪いなあと思ったものだが、しかし本シリーズはやはり映画館で観るものだったろうなと実感、いや体感した。人の、軍勢の波を音の波として全身で浴びる感覚。ちょっとしたアトラクションだなこりゃ。全然普通の2Dシアターで観たけど4DXを味わったような気分になった。お得。ファーストデーだったから尚更に。
お話は原作を読んでるから知ってるけど、いや、さすがに結構前のことなのでところどころ忘れてるところもあった(蒙武の失態すぎるところとか)けど、しんみりするシーンではしんみりして、血沸くシーンでは血沸いて、大変に楽しめた。今回メインを張る王騎将軍も龐煖もとにかく大きいから、大きいもの同士の衝突はそれだけで「快」だ。
序盤の尾到との別れも情感たっぷりで、わかっていても涙ぐんでしまう。自分の個人的な傾向の話でしかないが、こういうお涙頂戴シーンって、涙そのものよりも泣くのを我慢してぐっと歯を喰いしばる「動き」につられて、自分も歯を食いしばった結果涙ぐんでくるって気がするな。アクションシーンで派手な動きに身体がつられるようなのと近い。身体的なんだよ。いや、泣きそうになったのの誤魔化しではあるんだが。
それにしても、主人公の個人的な敗北と友の死から始まり、自軍の戦略的な敗北と将軍の死で終わるという、かたちだけみると散々な結果というほかない物語なのに、なんだかんだ胸熱で終わるのは面白い構成だ。しかも映画はこれでひと区切りという。確かに原作の長さや今後の戦の規模とか考えるとここで終わっといた方が無難か……みたいな気もしなくもないが、お本家たる中国さんと組んでアジア産超大作映画の最高到達点を目指すためのタイトルとしては申し分ないのだから、さらにひと頑張りしてもらいたい気持ちもある。キャストの年齢問題などもあろうが、まさしく今作でメインを張った大沢たかおと吉川晃司がともに50代後半なのだから、山崎賢人もあと30年は戦える! 期待したいものですね。

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