4/24 『天冥の標Ⅰ メニー・メニー・シープ〔上〕』を読んだ

面白かった。

面白いと評判のシリーズであるということはたびたび耳にしつつもなかなか手が出せず、そうするうちに完結してしまっていた。何かのタイミングでいずれはと思いつつ、結局特にどういうタイミングでもないタイミングで手を付け始めた。しかし第1巻時点で既に全10巻と銘打たれているのはすごいな。いろんなところに伏線が潜んでいるのではと思って読んでしまう。

遥か未来で、植民した惑星で、乗ってきた宇宙船がそのままプラントになっているというゴロっとした大野菜のようなSF世界観をいきなりお出しされておきながら、しかし描かれる情景は、なんだかむしろ異世界ファンタジー作品のようでもある。生活サイクルや言葉遣いの違う異民族めいた人々や、生態の一部が異なる亜人、その上異種族や異星人、さらには自我を持った機械など、1巻の前半だけで様々な種族が出てくる。賑やかだ。石工(メイスン)たちのビジュアルはちょっと、なかなか想像しづらかったけども。オケラみたいなのか?と思ったら体色は白らしいし。

未知の生物の出現による混乱、苛酷な扱いを受ける土着異星人、機械人たちとの衝突、圧政による民衆の逼迫、その圧政者も謎のプレッシャーを胸に秘めていて、穏当なことが何一つないし、現時点で既に結構な争いや死傷者が出てるし、この植民地はもう滅びるっぽいことが示唆されてるしで、今後もたぶん星レベル宇宙レベルでそんなことが起きていきそうだなあ、と期待が持てる出航巻だった。

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