5/20 『GODZILLA 決戦機動増殖都市』を観た

ハルオが囚われそうになった植物の罠に、あんま間を置かずしてユウコがまんまと嵌ってたのが、過ちを繰り返す人類感あって面白かった。
感情を排し合理的に行動するらしいビルサルドだが、メカゴジラシティに対してはめちゃめちゃテンション上がってたような。シティに同化したがるのも郷愁に似た何かだったのでは。
最後の決断に関しては、果たしてハルオの心中いかばかりか、推し量るのは難しい。「人としてゴジラを倒す」の人として、とは自意識やエゴのことを指すのか。機械化を拒んだのは自分の命or頭が惜しかったのか、それともユウコのそれが惜しかったのか。なんとなく言えそうなのは、ハルオは他者に犠牲を迫ることが嫌なんだろうな、とは思う。少しずつ身を削って生きていかねばならなかった船内生活が、そもそもそんな境遇を強いたゴジラに対する憎しみを育んでいたとすれば(芽吹いたのは乗船する直前の両親の死を目撃したことであろう)(ノベライズによればそれでは死んでなかったそうだが)。他者に何かを強いるものへの抵抗、それがハルオの自我の礎になっているように思える。
とすれば。第3部で予見されるより大きな脅威=ギドラに対して、ハルオはまた決断を迫られるのではないか。ゴジラをも超える更なる脅威はすなわち、更なる抗いの道であるわけだが、であればハルオはゴジラと共闘する道を選ぶのだろうか。あり得るとは思えるのだが、しかしそれと同じくらい、ひょっとしたらギドラの方につく可能性もありそうだなって思える。ゴジラに地球を牛耳られ、ゴジラに恭順の意を示した地球に対してハルオがどこまで執着していられるか、みたいなところないかしら。モスラとその民のこともあるし、もういいヤっちまえとはならないだろうが。強烈な動機と抜群の行動力を持ちつつ、決断力という点に関してはわりと常人なみというか、ギリギリまで迷い悩み続けるということは今作で描かれていたことでもある。

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