7/15 冲方丁『剣樹抄』を読んだ

面白かった。
誰が呼んだか大江戸シュピーゲル。たぶん冲方読者はみんな言った。
まあ冲方読者からしたらそのようにしか見れないが、そうでなくとも、泰平の世たる江戸と対テロ組織超人集団を組み合わせるという発想にはたまげた。これによって、時代劇でありながら現代的な物語にできるというのだから。なんて思ったけど時代劇には全然詳しくないので、鬼平犯科帳とか銭形平次とかが全然元々やってたりしたら恥ずかしい。
ただ、そうしたぶっ飛び集団である拾人衆が、読み通してみるとそれほど多くは活躍してないのがじゃっかん物足りないといえば物足りない。や、すごい活躍はしてるんだけども。裏方に徹しすぎてるというか。江戸という百万都市の実に多彩な在り様、人々の生活模様が描かれて、第一の主役が了助、第二の主役が光國なら第三の主役は江戸そのものと言えるほどなんだけど、拾人衆の異能カーニバルみたいなもんも見てみたい。主だった手合いもまだ4人しか出てきてないし。もっと多くのトンデモな子どもたちが出てくることを期待したい。戦闘力で了助に引けを取らないライバル役とか……あとベタと誹られようとも糸使いは絶対必要でしょ……

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