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6/16 『スパイダーマン:アクロス・ザ・スパイダーバース』を観た

前作も映画館で観ていたが、細かいところは忘れており、あやふやな記憶で続編を観ても大丈夫かちょっと心配ではあったけど、まあマーベルさんの映画はそういうとこは結構優しいだろうから、冒頭に軽くあらすじを浚ってくれるだろうと楽観して観に行った。実際、いい感じに説明してくれていた。
前作に出てきたスパイダーマンたちをほぼ出さないまま、新しいスパイダーマンたちが続々出てくる。軽く調べてみたら、みんなしっかり原作があるというので驚き。この映画オリジナルで生み出されたわけではないのか。あのティラノサウルスのスパイダーマンとかも……? マジで? 改めて、「スパイダーマン」というキャラクターの派生ぶりに驚いたというか感心した。「クモ」という属性を最初に載っけておきながら、こんなに枝を広げられるんだね。いやまあ、本邦にもバッタの改造人間というのがおり、負けないくらいの枝を現在進行形で広げてはいるけども。
お話は、映画の宣伝ポスターに書いてある「運命なんてブッつぶせ。」という、観る前はなんか何にでも使えそうだなあと思ってた文句が、まさかそのものド直球でそのままの意味だった。スパイダーマンをスパイダーマンたらしめる、あるいは並行世界を並行世界たらしめる運命そのものへの反逆。それをすれば、当然並走していた仲間たちとは衝突する。その上更には主人公のマイルズはもともとその並走の一団に含まれない、招かれざるスパイダーマンでもあった。存在自体が運命の綻び、蜘蛛糸のほつれ。ある種の特異点がごとき存在たるマイルズを、運命の糸は雁字に絡めとるのか、それとも虚しく破断するのか。気になるところで次作に続きよる。そういえばうっすら前後編だと聞いていたけど、終わる1分前くらいまで忘れていた。
マイルズが、自分を嚙んだクモの本来いた宇宙で、自分の知る運命とは異なる運命を目の当たりにするところは、西尾維新『猫物語白』を想起させる。あちらを立てたことでこちらが立たなくなり、しかし代わりに立ち上がるものもあり。醍醐味だよね。そして後編へ向けての盛り上がり方は『Fate』っぽい。特にHFかな……用意できるものをありったけ仕込んで決戦へ挑むあたりなど。他作品ばかり引き合いに出して申し訳ないが、並行宇宙をテーマとした作品なのだし、並行しない垂直に交わる宇宙の話もちょっとくらい出してもいいだろう。後編も楽しみだが……ただ、後編でやることって、もうラストバトルくらいしかないように思えるんだけど、他にやることあるか? 2時間くらいずっとバトるのだろうか。あの映像力で。観てるだけで痩せちゃうぜ。

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