7/2 『ゴジラvsコング』を観た

面白かった。

始まってすぐにコングが出てきて、さらに少ししたらもうゴジラが出てくる。とにかくゴジラとコングを戦わせることに主眼を置いているから、怪獣が出てくるまでのタメといったものは今回とてもアッサリしている。あるいは、後半から出てくるアイツにそのタメは一任していたのかもしれない。
コングは、前作『髑髏島の巨神』に比べて相当感情表現が豊かになった……気がする。ややうろ覚えだが。今回コングと会話する少女が出てきて、コングも少女と手話で会話できて周りの研究者が騒然としていたけど、そんなもの無くてもわりと表情とジェスチャーで言わんとしてることわかったんじゃないか? いや、重要なのはむしろ人類の言うことがコングにわかることだったのかな。
対するゴジラの方は、こちらもなかなかに表情が豊かだった。特に今作は怪獣の顔を真正面から映すカットが多かったので、ゴジラってこんなに顔するんだと新鮮に感じられた。どうもやっぱり、アメリカの方だと怪獣というのは「獣」よりに描かれるものなんかな。そして日本の怪獣は「怪」に重きが置かれてるんじゃないか。最初は着ぐるみだったからというのもあるだろうが、顔のも敢えて能面じみた無表情なことが多いと思う。

そうした二体のケンカですから、そりゃもう申し分なく白熱であった。ゴジラはもとより多少は人類に配慮してくれてるコングも、いざ戦い始めたら周りのことなど一切気にせず都市のど真ん中をびょんびょん跳ね回り、それをゴジラの熱線が追っていってどんどん被害が尋常でないことになる様は、痛快言う他なし。他に何を言ったらいいのか。
勝敗に関してはしっかり判定をつけつつもいろいろ言えるようにできていたが、命運を分けたの一つには、前述したコングの感情表現の豊かさというのが実はあったんじゃないかとちょっと思う。あそこまで感情豊かに動けば、敗北して倒れ伏すも、少女や人類との絆を胸に再び立ち上がる……ということもできてしまうから。すなわちコングは敗北を喫したのではなく、敗北を背負ったのだ。
いやまあ、熱線にカウンターかませる武器を用いられたと知るや、飛び道具封印して素手のカラテに切り替えて一気に圧し切るゴジラの戦闘巧者ぶりも大きな要因ではあったが。あれはビビるよ。年季の差だろうか。

そして隠し玉のメカゴジラ。これにも燃えた。前作の伏線もしっかり活かしてたし、出てくるギリギリまで気づかずにいたから、たいそう興奮した。
操縦席の小栗旬は、まあちょっと滑稽な絵面ではあったけども、でも脳波高精神コントロールだかで動かして、熱線を吐くときに恍惚の笑顔に浸ってしまうのは「わかる~~~!」となってしまった。あれはわかるよ。絶対そうなっちゃうよね。
どうも聞くところによるとその強さも歴代最強クラスだったらしいし、倒される宿命ではあったけども、怪獣たちに一矢報いてやれた感じもあって大満足だった。

にしても。ゴジラに対抗する武器を手に入れる為だけに地球空洞説をマジに描いてしまったし、今後もシリーズが続いていくとするなら、地球の魔改造がどんどんえらいことになっていきそうだ。よく考えたら冒頭の髑髏島全体をドームで覆ってるのもヤベえよ。香港は今回の件で甚大な被害をこうむったが、でも代わりに地球内部に直通のトンネルを手に入れてしまったし、とんでもない勢いで再魔開発されそう。前作の娘も母親の血を遺憾なく発揮しているようだし、予算の目途がつく限り、頑張って続いていってほしいものだ。

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