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#吉上亮

5/15 『テトラド1 統計外暗数犯罪』を読んだ

吉上先生の作品はそれなりに読んできたつもりだが、どうも文章のリズムがあんまり合わねえなあ……ということを認めなければならなくなってきた。いよいよというか、いまさらというか。俺が読点をつけたいところでそのまま進んでしまって、文意の把握が追いつかないことがままあった。特に事件現場の描写などは、土地鑑もないしなかなか大変。 どうにか慣れられたらなあ……と思う。なんせ、他の要素はほぼストライクゾーンなのだから。近未来を舞台にしたややSFサスペンス・ミステリで、人の心情を読み取ることに

10/3 『PSYCHO-PASS サイコパス 3〈C〉』を読んだ

前2巻をも上回る分厚さ、相当の歯ごたえだった。アニメを一度観ているから内容もスッと入ってくるかと思っていたが結構難航した。だがじっくりたっぷりやってくれたおかげで複雑怪奇な信仰特区編もいくらか理解できたと思う。 なかでもトーリの内情が深く描写されていたのがよかった。事件の主犯格なのに犯罪係数が異常に低かったり、でも入信前は色相真っ黒だったらしいとか、うっかり流してたがよく考えると君どういうことなんだ?と思える点などが納得できるようになっていた。その精神性はあまりに幼く、しかし

8/20 『PSYCHO-PASS サイコパス 3〈B〉』を読んだ

これを読んでる最中に、『PSYCHO-PASS』新シリーズが始まることが発表された。今のペースでいけばちょうどノベライズ作品を読み終わる頃に新シリーズを迎えられそうだ。なんだかんだベストなタイミングで事を運んでいけた。俺にもインスペクターの才能があるかもしれない。 今巻でのメインは都知事選挙編、この話でのキーパーソン?であるAI「マカリナ」は、小宮カリナ限定とはいえ「限りなく人間に近いAI」ということで、これまた並行して読んでる『BEATLESS』との相関性を感じさせた。マカ

7/18 『PSYCHO-PASS サイコパス 3〈A〉』を読んだ

とうとう現行最新時系列のノベライズに到達した。これが全3巻でその後劇場版第3作目のノベライズを毎月ごとに読むとなると、11月には最前線へ追いついてしまうことになる。その頃には4期の話が出てきているとタイミングぴったりで嬉しいのだが。 前回の劇場版第2作目からおよそ3年ほど経ったということで、新たなる面子のもと新たな局面を迎える公安局刑事課一係。しかし3年とは考えてみると結構長い。キャラクターも刷新されるわけだ。とりわけ第一章では新主人公である監視官2人について多く描写が割かれ

6/1 『PSYCHO-PASS Sinner of the System 下』を読んだ

本ノベライズ共著者の一人である吉上亮氏はあとがきにて、「狡噛慎也は、自分にとって一種の聖域でした」と述べる。実際それは多くの『PSYCHO-PASS』ファンにとっても同様であると思う。考えてみれば不思議なもので、『PSYCHO-PASS』という作品の本質でもあるシビュラシステム、その真実に触れていない(少なくとも現時点では)にもかかわらず、ここまで狡噛というキャラクターに重きが置かれているのは何故なんだろうと思う。常守朱や槙島聖護もその真実に触れ、それぞれのシステムに対しての

5/24 『PSYCHO-PASS Sinner of the System 上』を読んだ

前回の劇場版同様、映画は一度観ているが一度観たきりで細部は忘れていたのでそのおさらい気分。しかし意外とボリュームが多いしその上2本立てなので思ってたよりだいぶ楽しめた。 まずCase.1。序盤に秘匿通信・ウィスパーモードについて設定の説明があったんだけど、あれそういうシステムだったんだ!と長年の疑問がようやく解消された。映像でも小説でも、テレパシーか脳に通信チップでも埋め込んでるんじゃないかという無言の通信シーンがよく出てきてどういう技術使ってるんだ?と疑問だったのだ。口の