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#上遠野浩平

11/20 『STORY MARKET 恋愛小説編』を読んだ

この前に読んだ『小説 シドニアの騎士 きっとありふれた恋』で、恋愛小説は得意じゃないんだよな~とか言ってたら、積読リストでその次に来ていたのが恋愛短編集。何の因果か。勉強しろってことなのか。いやまあ、上遠野浩平の短編が収録されてるというので買っただけなんだけども。とはいえ他の収録作家も面白そうな面子であったので、これなら面白がれそうだと思って、いつ出るとも知れない上遠野浩平の短編集(本ッ当に知れない)を待たずに買うことにしたのだった。実際、面白かった。 斜線堂有紀『愛について

9/12 『ブギーポップは呪われる』を読んだ

4年ぶりのブギーポップ新刊発売決定の報を受けて、まず驚いたのはやはりタイトル、いつもの『ブギーポップ・○○』から始まるやつじゃない! まさか……最終巻か? 『笑わない』から始まって『呪われる』で終わる……ってことか? と危惧したが、とりあえず多分そうではない、のだろう。まあもはやブギーポップに明確な完結というものも無いだろうと思ってはいたものの、それ故にこれで終わりでーすと言われたら甘受せざるを得ないということもあり。ちょっとビビったが……特に冒頭の霧間誠一引用が、なんだかこ

7/28 『クレイジーDの悪霊的失恋』を読んだ

マンガ版は『クレイジー・D』でDにダイヤモンドとルビも入っているが、小説は『クレイジーD』なんだな。この表記の揺れ、何か意味があるのだろうか。 マンガ版の方を先に読んでいたが、小説版も大筋は変わらない。仗助とホル・ホースのやりとりにより多く紙幅が割かれていて、このコンビの相性の良さがさらに引き立っている。まあ相性というか、たまたまホル・ホースが仗助の機嫌の荒波をうまくいなせただけのようにも見えるが。はじめ、今回のスピンオフの主人公がホル・ホースであると聞いたとき、いやいやシブ

9/18 『憎悪人間は怒らない』を読んだ

面白かった。 いろいろと懐かしい人たちが次々と出てきて、過去作品のあれこれへと繋がっていくことが伺われ、そういう縁起を描いてくシリーズなんだっけこれーーとか思っていたところ、カチューシャがささいな小間使いみたいなチョイ役で出てきたり、名前だけだけどミセス・ロビンソンなんていう懐かしさもひとしおな名前が出てきたあたりでふと気づいたが、ひょっとして今作に出てくる人たちはみな、裏切り者ばかりなんじゃないだろうか。そう見てみると、統和機構に従いつつもより忠誠を誓うべき相手を見出だして

5/12 上遠野浩平『ブギーポップ・オールマイティ ディジーがリジーを想うとき』を読んだ

面白かった。 『VSイマジネーター』の後日談でありつつ『ブギーポップ・ストレインジ』の後始末。薄々予感していた気もするが、ひょっとすると『ストレインジ』はもう直接描かれることはなく、こうして残滓や影響だけが語られていって、それによって輪郭を浮かび上がらせるという手法なのかも。あたかも第一作『ブギーポップは笑わない』がそうであったように。 そうした『ストレインジ近辺編』の中でも今作では新たに描かれたことも多く、特に霧間凪の水乃星透子に対する感情が垣間見れたのは嬉しい。確かに