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2022年11月の記事一覧

11/14 『機龍警察〔完全版〕』を読んだ

面白かった。聞いてた評判通り、そして「2010年代最高の国産ミステリ小説シリーズ」とオビに書かれている通り、面白かった。 最初、カバー折り返しの登場人物表を見て、そのずらっとした人名と階級の並びに、これ何度も見返しながら読んでいかないとわかんなくなるやつだ、と思ったのだが、読んでみると思いのほかにズンズンと読めた。というのも、よくよく見れば、組織の各ポジションに2人ずつ、対照的なキャラクターが配置されており、その二者の関係をとっかかりにその組織の、あるいは組織間の関係性などが

11/9 『ユア・フォルマ 電索官エチカと機械仕掛けの相棒』を読んだ

冲方丁がオビで推薦してた(2巻の)という理由で、あまり内容もよく見ずに購入。購入してから内容を見てみれば、主人公は電索ーー人の脳に潜行し記憶や経験、そのときの感情までも追体験する技術を用いて事件を捜査する捜査官ということで、なるほど仕組みは違うが『PSYCHO-PASS 3』におけるメンタルトレースとやってることはよく似てる。冲方丁にオビコメの白羽が立つわけだ。おまけに、主人公の相棒はヒト型ロボットだというから、『BEATLESS』成分も入ってる。まさにその2作を読んだあとに

11/8 『芸人人語 コロナ禍・ウクライナ・選挙特番大ひんしゅく編』を読んだ

2年弱前に読んだ太田さんの本の続編が出ていた。あっこれシリーズものだったのか、と思ったが時事を綴ったエッセイなのだからそりゃ出るか。人気が出て、今後も定期的に刊行されてくれると、ああこんなこともあったよねとほどよく近過去を振り返ることができていいと思う。だいたい2年前くらいからというのが、またちょうど良い。とは言え、読んでるうちに太田さんの意見を自分の意見だと思わないように注意しなければならない。 今作では一番最後が安倍元総理の暗殺事件についての話で、あまりに唐突な出来事に心

11/1 『PSYCHO−PASS サイコパス3 FIRST INSPECTOR』を読んだ

3期の完結編、大一番の事件であるが前3作とは著者が変わってしまった。が……意外と違和感はない。さすがプロのお仕事ということか。調べてみたら著者は3期よりも前に出たゲームに関わってた人とのことだし、心配は無用だった。 その中でも特に梓澤はマジでそれまでの、吉上亮が書いていた梓澤と一切遜色ないように見えた。シリーズボスだというのに……やはり「普通の人」だからかな。優秀だし非凡だけど、特殊ではない。 ゲームスタート……事件が始まると、あちこちに散らばっていた面々がそれぞれに事態に対

10/29 『錆喰いビスコ4 業花の帝冠、花束の剣』を読んだ

前巻でひと心地ついたので少し間を空けているうちにアニメが始まって、ではアニメを観終わったら続きを買い始めるかなと思ってたら、アニメをしっかり楽しんだはいいもののそこからもそこそこ間が空いてしまった。ともあれ第2部始動的な第4巻。 物語の始まりからの加速の速さや、「こ、こいつ、何者だァッ⁉」などの台詞に、ブランクがあっさりかき消える。あーそうそうこの空気この空気。水戸黄門を毎週テレビで観ていた世代もこんな空気を吸っていたのだろう。 前巻で世界観の根幹ともいえる錆の大元を退治して