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Vogueのアバター展開

メタバースでアバターが繰り広げる世界。私が代理店だった頃「セカンドライフ」というものがあった。「一等地は1000万する」とか、バブルを味わった先輩方はクライアントにまるで不動産屋が如くセールスしていたのを覚えている。
時は経て、あつ森が登場。あつ森上にお店を作り、どこそこのメーカーがお店をオープンなどなど、そうかーゲームの中に仮想空間ができて、そこでアバターに扮したコンシューマーがコミュニケーションする世界になったのねと思った。セカンドライフはADSL時代くらいだったか、ネット回線の問題でアクセスできる人が少なくなったが5Gや光ファイバーが当たり前の現代ではそれが改善され、タイムラグなくコミュニケーションが成立している。
「いよいよか」。
私がいたコンデナストでは新しい編集長Tiffanyさんが旗振り役となってデジタルファーストを印象付けたいのだろうか、メタバース上のファッションインエンサー”S六S(シックス)”をリリースした。

この展開はVogueだからできることだろう。
ファッションのキャラクターを作り、ファッションショウでランウェイを歩いたり、ライブイベントに登場させたりと使い道が想像しやすい。
他の雑誌がやってもなんか違う感じになるだろう。SpurやGinzaがやってもなんかファッションの王道感が無い流行りに合わせた感じになってしまう。
カバーモデルをアバター化するという手もあるが、リアルもいてアバターもいてなると違う。滝沢カレンがいてアバターのカレンちゃんがいる感じを想像してみるとどう分けるのかが難しいだろう。
この次どうするか。
きっとこのシックスにブランドの服を着せてNFTで売るという共同マネタイズが考えられる。一般の人はDiorやChanelを着せたりしたら素敵だろうと思うかもしれないが、ラグジュアリーブランドは厳格にイメージをコントロールし日本のブランチが本国のデザイナーを口説くのは指南技とも言える。
じゃあドメステックのブランドでやってみる。
やり易いかもしれないがインパクトはちょっと下がる。
Vogue編集部やデジタルチームのネゴシエーションの腕の見せ所だろう。
気になるのはこのアバターのキャラクター設計をどうするかだ。
これは生身の人間を形成するのに近い形で鬼の様に大変な作業であり、一度回し始めたらずっと続く、誰がやってやり続けられるかが課題になるだろう。
コンデナストにはキャスティングチームがあり、インエンサー事業をおこなっている。Rumore Meというインフルエンサーを選抜し数ヶ月養成し、コンデナストがマネージメントをしているのだ。
たぶん、シックスもこのキャスティングチームが扱う”タレント”の一人にする、こんな構想も考えているのではないだろうか。
それか、「コンデナストはVogueはデジタルに強い」、こんなイメージをクライアントや業界にアピールできたことで良しとして一旦終えるか。
古巣のみんながどうするのか注目していきたいと思う。

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