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フレンドリーな南部のホスピタリティ文化

アメリカ南部、サウスカロライナに住みはじめてから、他人との距離がとても近いと感じることがある。

チャールストンは海辺ということもあるのか、さらに周りの人が温かい。

近所の人と会うと、知らない人であってもほぼ必ず挨拶してくれるし、店で買い物する時、レストランで外食する時も必ずと言っていいほど店員とスモールトークする雰囲気。

他にも、スーパー等で優柔不断にキョロキョロ物色してたりすると、知らないお客さんに「届かないの?取ってあげようか?」と言われたりとか、魚を買ってたりすると「その魚ってどうやって調理するの?」とか聞かれたり、とにかく他人に話しかけまくる。

東京育ちの私は他人との距離が遠すぎて、警戒する癖がついてしまっていたため、最初はいちいちビクッとしてたけど、今ではそれが普通になってきた。

レストランなどのサービス業の人達は、日本のサービスのようなきめ細かい気を使ってくれるわけではないけど、基本的に明るくてトークも上手で、愛想がとにかくいい。

私は、20代前半にヨーロッパに昔よく旅行に行った経験があるのだけど、かなり機械的で時には冷たい対応をされた記憶しかないので、比較すると全く接客態度が違うなということに気づいた。

そのおかげか、こっちに引っ越してきてから、アジア人が超少数派というもの、意外にも差別されてるなと感じたことが全くない。

という感じで、なんとなくみんなやけにフレンドリーだな〜と思って生活していたら、
アメリカ南部地方には”Sounthern Hospitality”という言葉があることを知った。

Southern Hospitalityとは、

a cultural stereotype of the Southern United States, with residents perceived to show kindness, warmth, and welcoming of visitors to their homes

wikipedia

とのこと。

私のイケてない和訳だと、「優しさ、温かさ、歓迎する態度を持ってゲストを迎え入れるアメリカ南部のおもてなし文化」。

また、面白いことに、そのホスピタリティの象徴が、パイナップルなのだそう。そのせいか、街の至る所でパイナップルのモチーフを目にする。
(我が家の郵便ポストなんかにも、パイナップルのモチーフがでーんと付けられている。)

道を歩いていて目が合えば大体スマイルされるし、する。
愛犬とダウンタウンの街を歩いてると、道ゆく人たちが次々と犬を褒めちぎったり可愛がってくれる。

他には、目上の人へのリスペクトがちゃんとあったりして、語尾に”sir”や”ma’am”をつけたり、サービス業の女性がお客さんの女性に対して”honey”と言ったり”sweetheart”と言ったりする(赤の他人なのに笑)。

家族や友人やご近所さん同士はもちろんのこと、他人との距離がとにかく近いのだ。

近所の人たちは、引っ越してきた当初から、ここはみんな家族だからなんでも頼ってねと言ってくれ、実際に日々助け合っているし、家を購入した時には、引っ越し前にも関わらず、近所の人が盛大なウェルカムパーティーまで開いてくれた。

それに加え、4th of July、Thanksgivingやクリスマスには大きなホームパーティーを開いていつも招待してくれる。

実は北部のニューイングランド地方出身の夫はかなりのextrovert(外交的)とはいえ、近所付き合いの濃厚なこのような文化に慣れておらず、最初は戸惑っていた。

私が夫の故郷に訊ねた時、確かにコミュニケーションがもっとドライだったり、南部ほど他人に話しかけないなぁというのは実際に感じた経験がある。

北部に住んでいる別の私の知り合いの話を聞いた時も、みんな他人には興味がなく、最低限しか会話はないという話も聞いたことがある。

けれどフレンドリーすぎる南部で生活することになった超introvert(内向的)な私は、最初はすごく戸惑ったのは事実。だんだんと慣れて今ではそれが普通になったのだけど。

今では逆に東京に帰った時の最初の数日間、他人との距離感が遠すぎて戸惑うことさえある。逆カルチャーショックというやつ。

ただ、他人とのスモールトークに限ってはコミュ障の私にとってはとても難関で、いまだにかなり苦労しているのだが、その話はまた別のnoteで。

結論、日本人もほぼ居なくて、始めは異国の地で孤独を感じて移住鬱気味だった自分にとっては、フレンドリーな南部の地に住むことができ、sense of communityを感じられるようになったのは本当によかったな、と心から思う。

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