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【動画リンクあり】表現の難しさを身に染みて知った一年でしたといいつつ無様な私を見にきてねという長い話【終わったけどな】

去年5月から今月まで、札幌のThink Schoolというところでアートを学びました。
なんでアートを?と思われそうですが、実は20年ほど前、エゲレス留学時代に大学の美術学部に合格したにもかかわらず授業料も捻出できず家庭の事情も発生して断念したという過去へのリベンジを果たすという、非常にネガティブな動機からでした。
今から日本で美大に行くとしても、鉛筆一本で白黒写真みたいな絵が描けないと入れないくらいハードルが高いし、通信制だってあるけど、2年から学士入学したとしても3年で終える自信もないし、そもそも授業料が…

そんなことを悶々と20年考えていたら、札幌にこんな学校があるよ、と教わり、ほほう!と膝を叩いて入学を決めました。
コースは1年間、授業料も何とか出せる。結構レベルも高そうだし、と。

私ははいだ(しょうこ)画伯よりもスプーの絵を上手に描けるとは思いますが(昭和でいえばずうとるび江藤よりも絵はうまいと思う)、そもそも画力に自信がありません。
でもなんかつくりたい…と思っていた私の前に現れた「コンセプチュアル・アート」という名のメサイア(救世主)。
ロンドンのテートモダンという美術館に初めて行き、そういった作品の数々を目にして「これでいいのか!」と目からウロコが大量に落下。
その後美大入試用のポートフォリオを作るコースに進むのですが、当時のクラスメイトに、インスタレーションを主としたすんごい作品を作る人がいました。
ある日ふと彼女のデッサンを見たらあらまあ、はいだ画伯も江藤も真っ青になるレベルのヘタさ。
それでも彼女はロンドン大学のゴールドスミスカレッジ(ファインアートの名門)に合格しました。
イギリスは絵が下手でもヴィジュアルアートの制作を大学で勉強できる、素晴らしいところです。

そのとき私も大学に合格したので、

自分、才能ある?

と大いに勘違いしたまま、20年が経ちました。

気がつけばアラフィフ。気がつけば更年期。
No time to 悶々!
と思っていざ勉強を始めたら…

私が20年とどまっている間に、まわりは20年進んでいた

ということに気がつきました。

クラスメイトは皆私より明らかに若い。
60代70代のシニアもいるんだろうとタカを括っていたら、オレどう見ても最年長。
それにみなさん頭が柔らかい。私はガッチガチ。

20年前の私は何かしらの発想ができていた人間だったから大学も受け入れてくれたのだろうけど(それに外国人からは授業料いっぱい取るからね)、半世紀生きてしまうといろんなことにがんじがらめになって、「考えてる時間があったら1分でも長くゴロゴロしていたい」という人間になってしまっていました。

オマケに体もどんどんアンティーク化していき、結局このThink Schoolも病気で途中3カ月休むハメに。

ああ、私もう終わりかも…

と病院のベッドの上でさめざめと泣く日々。

しかし少しずつ元気になるにつれて体がムズムズしてきました。
何かしたい。何がしたい?

頭に浮かんだのは、春に支払った授業料の額。

MOTTAINAI‼︎

私はスクールの事務局に連絡して、試聴できる限りの講義は全部見せてもらって、レポートも書いて、その後年末に退院、年明けに復帰。
そこからいきなり卒業制作。
我ながらよくやったと思います。
ただ、ほんとうに作っただけになってしまったのが残念です。
考える時間と、参加できなかったワークショップなど、補講でカバーできなかった実地体験が圧倒的に足りなかった。前期展といって、コースの折り返し地点くらいで一度作品を展示する機会もあったのに、それも果たせず。

私の作品はそういった悔しさに満ちあふれたものになってしまいました。

ですが、まわりの感想を聞けば、

「おもしろい(ゲラゲラ)」
「ユーモアがある」

など、本人の意図せぬ部分を好意的にとらえてくださった意見が多く。

そういえば学生時代、神戸出身の友人から、

「モコちゃん、前世は関西人やったんちゃう?」

と言われたことが心から嬉しかった私。最高の褒め言葉だと思いました。名誉です。ダウンタウン大好きだったし。
生まれながらの芸人気質。ナチュラルボーン芸人?
吉本入りを考えたことがあったのでは?と聞かれたら、NOとは言えません。
でも仕事で人を笑わせるのはつらいだろうから、と、それもちょこっと考えただけで終わり。

話がそれた。
とにもかくにも、表現って難しいとしみじみ思いました。
悲しみを笑いというオブラートに包んだ結果、オブラートしか目に入らなかった人もいたのではないでしょうか。まあいいけど。
嫌な気分にしなかったのならそれでいい。
笑って楽しんでくれたのならそれでいい。

今後どうするか?
カメラは昔からいじっているし、今回の課題づくりでビデオカメラも買ったし、課題で買った画材もあるし、これからもいろんな表現ができるだろうなと思うし、続けていきたいと思います。

思うんですけど、私は多分、アートよりもエンタメ寄りの人間なんでしょうな。アハハハハ(乾いた笑い)。

そんなことに気づけたのは大きな財産となりました。

クラスメイトのみなさんとはコロナ禍のせいもあり、授業もオンラインが多かったのでほとんどお話する機会がありませんでしたが、最後の打ち上げで数カ月分の会話をさせてもらった感じです。私って意外と社交的?
それにいっぱい刺激ももらえました。
ずっと在宅仕事で人と関わることが極端に少なかったし、コロナ禍でそれに余計拍車がかかって、生身の人と(ソーシャルディスタンスを保ちつつも)触れ合うことに飢えていたんだと思います。
触れ合い欲も満たして。

ここまで書いて何が言いたいかというと、3/31まで卒業展をやってるので見にきてね❤️ということです。
ここで触れた私の暗部を晒した(のに笑われた)作品もご確認いただけますが、それ以上に他の皆さまの作品が素晴らしすぎて目が潰れそうです。

詳しくは下記で引用した投稿をお読みください。

じゃあね。

【追記】もう終わったので見られません。

なので、ここにひっそりとアップ。

あなたのあたたかいサポートが、私の病院代になります。