謎の感染症日記(7)「メシア」
耳鼻科と言われてもどこに行けばいいのか。
おまけに土曜日だし。
すぐ近くの耳鼻科にかつて通っていたのだが、一昨年の喘息騒ぎのときにもまったく役立たずのやぶ医者だったので、もう行きたくなかった。
少し歩くが、わりと近くにかつて母を連れて行った耳鼻科があったことを思いだした。
そこは奇しくも、最初にインフル検査をしてもらった内科と同じメディカルビルの中だった。
これまでのいきさつを話し、件のカリスマ呼吸器科医の話もしたら、
「ああ…あそこはね…」
と苦笑していた。
鼻の穴にカメラを突っ込まれ、かなり丁寧に診てくれた。
とにかく痛くて悶絶していたが、
「ほら、目を開けて、見て!」
と言われ、抵抗のできない体で目をひんむいて、鼻の穴の中が映っている画面を見た。
グロい。
膿がいっぱい溜まっていて、それを取り除いた後また見たら、謎のできものがそこにあった。
「腫瘍の可能性もなくはないので、大きい病院に紹介状を書いてあげる。この診療所ではこれ以上できないから」
ありがとう…先生、ありがとう…
つづく
ペ!
あなたのあたたかいサポートが、私の病院代になります。