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続・アトピー対策備忘録23: 体質改善21 木タール軟膏・パインタール

 外用剤の記事に追記したタール剤軟膏だが、現状日本にて通販で入手出来るものは非常に限られる。木タール成分入りの石鹸なら幾つも出てくるのだが…。

 下部リンクが貴重な木タール(パインタール)含有のハーブ軟膏である。パインタールが具体的に何%含まれるのか記載されていない事だけがやや不満点ではある。ちなみに開封後は要冷蔵。

https://iherb.co/62oE6ecR

 確かに匂いは独特なものだが言うほどでもなく、正露丸に比べれば若干煙い程度である。購入者コメントにはバーベキューの匂いというものが多いので、キャンプやらバーベキューに慣れた人なら大して気にならないかも知れない。塗った箇所に顔を近づけると流石に煙臭が強くするが離れればさほどでもない。
 肝心の痒み抑制の効果は確かに感じられ、少なくとも弱いステロイド剤程度の効果は有るものと思われる。ただ炎症鎮静作用は緩やかに時間をかけて効く様で即効性の面では余り期待するべきではないか。パインタールの含有率が分からないのでタール剤の効能がどの程度か明確に判断出来ないのが若干悔やまれる(効能的に恐らく一桁%しか含まれていないものと思われる)。

 木タール軟膏は病院で処方される際はグリテール軟膏や亜鉛華軟膏と併用される事が多い様である。

 使用する場合は個々人の体質や患部の箇所・症状により肌に合わない事も有る様なので、肌の状態を見ながら利用するのが無難である。前にも述べたが木タール軟膏やグリテール軟膏等のタール外用剤は病院で処方して貰うのが最も確実であるので、市販のものを使う際は自己責任で行う事になる(木タール軟膏やグリテール軟膏そのものは製造中止にされたので処方している医院は限られるが、ステロイド配合のグリメサゾン軟膏を処方している医院は探せば割と見つかる)。



 …一応だが怪しげかつ危険な皮膚癌の自己治療として有名な「黒軟膏(black salve)」とは成分も原材料も全く別物なのでそこは安心して良い(そもそも日本では手に入らないし、そちらは決して使用してはいけない)。


・追記
 パインタールと書くと松脂(松ヤニ)と勘違いされる事が有るが、松脂は「Pine resin(rosin)」であり、松から作られる木タールである「pine tar」とは別物である。
 パインタールというか木タール自体が日本では木炭や木酢液製造の残滓として余り利用されず、馴染みが無い事も有りどうも誤訳され易い様である。
 最近だと野球の粘着物質騒動で大々的にマスコミが誤訳報道した事も有り、パインタール=松脂と勘違いした人も多いのだろう(毎度の事とはいえ随分と適当な報道をするものである)。元々バットのグリップを効き易くする為に古くから利用されているそうだが、バットでボールを捉え易くしたり素手でボールを握り易くするなど色々裏技的にも活用されていたらしい。
 医療分野では余りお目にかからないがこういった野球用品としてや、変わった所だと馬の蹄の保護剤として普通に売られている(大抵は混ぜ物が含まれるので当然他用途には利用出来ない)。

 はと麦の糠や殻もそうだがアトピー性皮膚炎患者には重宝されるものであり、木タールも是非有効利用されて欲しいものである(現状ではほぼ害獣忌避剤としてしか利用されていない)。

 下部リンクの様なパインタール配合の入浴剤やバスオイルも海外には有る様である。


 下部リンクは木タール利用の歴史について。

 …黒船の黒はパインタールの黒、だそうである。

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