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本当にすごい腸の力

※当たり前かもしれませんが、下のお話です。お食事中の方、そういった話が苦手な方はご注意ください。

「腸活」という言葉が巷で聞かれるようになって久しいが、私はあまり興味がなかった。なぜなら多くの人の悩みである「便秘」とは無縁の生活を送っていたからだ。しかし、だからといって本当に「健康な腸」を持っているかといわれるとそうではない。便秘の人はもちろん、そうでない人にも腸の持つすごい力について知ってほしい。

①健康な腸とは?

健康な腸を示すバロメーターは便である。便通があっても異様に固かったり、ゆるかったりするのはいい便ではない。
いい便の特徴は…
・バナナ状
・黄色もしくは黄褐色
・練り歯磨き粉より少し固い
・スルリと出る
いかがだろうか?便通があるに越したことはないが、何分もトイレに籠ることなく、上記のような便をいつも出しているという人は少ないのではないだろうか。自分の健康のバロメーターとして、便の状況を確認することを習慣化するもの大切なことだ。

②善玉菌と悪玉菌と日和見菌

善玉菌と悪玉菌という言葉を聞いたことがある人は多いと思う。しかし、腸にはもう一つ日和見菌という菌もいて、これが大多数を占める。日和見菌とは優勢な方の菌の味方となる菌である。つまり善玉菌が優勢であれば、日和見菌は善玉菌に加勢し、悪玉菌が増えれば悪玉菌に加勢する。
つまり善玉菌を優勢にし、日和見菌を味方につける必要があるのだ。しかし、悪玉菌を減らせばよいというわけではない。悪玉菌も体に必要な働きをしてくれる。善玉菌、悪玉菌、日和見菌のバランスは、2:1:7がベストなのである。このバランスが整えば、前述したようないい便が出るということである。

③こんなにすごい腸の力

腸は消化器官であり、主な役割は食べたものの栄養を吸収し、不要なものを排泄することだ。しかしそれだけではない。腸はあまり知られていない重要な役割を果たしている。

★免疫力を上げる
免疫細胞の7割が腸壁のすぐそばに待機している。言い換えれば、免疫の7割を腸がつかさどっているのだ。免疫力が上がれば、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスなどの感染症にかかりにくくなるだけではない。花粉症などのアレルギー反応も和らげることができる。

★メンタルを整える
人間が人間になる前、私たちの遠い祖先は脳を持たず、臓器は腸しかなかった。そこから進化し、腸が脳を始めとする様々な臓器に変化していった。つまり、脳は元々腸だったのだ。幸せホルモンと呼ばれる「セロトニン」や「ドーパミン」の前駆体の生成は脳ではなく、腸で行われる。つまり腸を整えることは、心を整えることにつながるのだ。

④腸を整えるには?

ではそんなにすごい力を持つ腸を健やかに保つにはどうしたらよいのだろうか?

★自律神経を整える
前述したように、腸と心は深く関係している。腸を整えると心が整う。逆に言えば心を整えれば、腸も整うのだ。自律神経には交感神経と副交感神経があり、副交感神経が優位の時に、腸は蠕動運動をし、便が排泄される。つまり自律神経のバランスが崩れ、交感神経が優位の状況が続けば、蠕動運動が行われず便秘になりやすい。余談だが、生理前に便秘になりやすいのは、生理前に子宮の動きを抑えようとする動きに作用され、腸の蠕動運動も抑えられてしまうからだ。
そこで自律神経を整えるのに一番大切なのは、規則正しい生活をすることだ。朝は余裕をもって起床し、朝日を浴びる。こうすることで体内時計がリセットされ、自律神経が整う。

★水分を摂る
便の6割が水でできている。しかし水分不足になると、生きていくのに必要な水分を確保するため、排出される便の水分が減り、結果カチカチの便となってしまう。それを防ぐため、水分は1日に1.5から2リットル摂取する必要がある。特に朝起きて水を飲むことは、胃腸を刺激し蠕動運動を促す作用もある。ちなみに軟水より硬水の方が、含まれるミネラルが多く、腸の働きに効果がある。

★発酵食品を摂る
ヨーグルトがお腹にいいというのは聞いたことがあるだろう。しかし、ヨーグルトなら何でもいいというわけではない。私たちが持つ腸内環境というのは、実は一人ひとり特徴があり、ヨーグルトに含まれる乳酸菌やビフィズス菌との「相性」がある。だから少なくとも2週間食べ続けて、効果の程を観察する方が良い。もし効果がなければ、そのヨーグルの持つ菌と相性が良くなかったのだ。ちなみにヨーグルトに含まれる善玉菌の多くは腸に届く前に死んでしまう。しかしその死骸が善玉菌のえさとなるので、必ずしも生きて届く必要はない。
そして、日本人の8割はヨーグルトに含まれる「乳糖」を分解する酵素を持っていない。よってヨーグルトは一日200gが目安であり、砂糖が入っていないプレーンヨーグルトがおすすめだ。
ところで、発酵食品はヨーグルトだけではない。日本食には多くの発酵食品がある。納豆、みそ、しょうゆ、漬物などだ。日本人が昔から食べてきた日本食は、日本人の体に合っているいえる。普段から意識して日本食を摂るようにすることも大切だ。

★食物繊維を摂る
善玉菌の餌となる食物繊維を摂ることも意識したい。
ちなみに食物繊維には以下の二種類ある。
不溶性食物繊維…水分を吸って大きく膨らみ蠕動運動を促す(キャベツなど)
水溶性食物繊維…腸内でゼリー状になり腸内をゆっくり移動する(オクラ、山芋、納豆など)
不溶性食物繊維は消化に時間がかかりお腹が張るので、便秘中は水溶性食物が多く含まれるものを摂るように意識したい。

★良質の油を摂る
腸には水分と同様に油も必要不可欠である。油は蠕動運動を促し、便をコーティングしするするりと排泄しやすくしてくれる。油については以前記事にまとめているので、そちらを参照してほしい。

⑤まとめ
何となく腸のことは知っているつもりだったが、それ以上に腸は多くの役割を担っており、腸を健やかに保つことの重要性が改めて分かった。特に新型コロナウイルスの脅威が未だに私たちの生活に影響を及ぼしている今、改めて自身の持つ免疫について考えてみるのもいいかもしれない。

参考文献
・「腸の大掃除」でやせる、超健康になる!
・9割の女性の悩みをスルリと治す腸習慣
・医師が教える1分腸活

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