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2020年12月24日 人を好きになるということ

今日はクリスマスイブです。

こんなにこのクリスマスイブという日を意識したことは初めてなのではないだろうかと思うくらいには恋愛経験が少ない28歳女です。将来平野レミになります。

最近恋愛のことを考えていて、人を好きになるということは自分を見失うことなのかと少し絶望していたところがある。なんでこんなに自分を責めてしまうんだろう。なんでこんなに自信が持てないんだろう。なんでこんなに不安になるんだろう。なんでこんな状況になってしまったんだろう。なんでこんなに強欲になってしまったんだろう。なんでこんなにずっと考えてしまうんだろう。なんでこんなに私はあの人のことをこんなに好きなんだろう。

頭の中で「なんで」がぐるぐると回りに回って何も考えられなくなって眠りにつく日々。なんなんだろうこれ、とふと我に帰るもまた不安が襲ってくる。

人を好きになることってこんなに罪深くて苦しいことだったのか?と愛について見えもしない神様に問うてみたり。もっと愛情というものは素敵でキラキラしたものなんじゃなかったの?と街角のカーネルサンダーズに問うてみたり。

好きな人には幸せになってほしい、できるだけ苦しい時間を過ごさないでいてほしい、ただそれだけなのにそこに自分のエゴがくっついてきて不安や寂しさがつきまとって無意識に自分を蝕んでいく。こんな残酷なことが恋愛なのかと、夜の月を眺めながら思うのである。なんて健気なアラサーなんだ。心は少女なんだよわかってくれよ、まったく。

人を好きになるということは今まであったにせよ、こんなにあるひとりの人間と向き合ったのは初めての経験なのかもしれない。いつだって自分のことを考えてきたし、自分のことしか頭にない薄情な奴として生きてきたつもりだった。ずっとなにか頭の中で考えては他人を通して自分のことしか考えられなくて申し訳なさでいっぱいの人生だった。

それがどうだ。28歳になり、ずっと頭から離れない人と出会ってしまい、私はまた生まれ変わったように生きている。思春期を過ぎ、一度大人になり、目の前を通りすぎていくものたちにいちいち絶望し、自分の気持ちさえも見失いここ数年生活をしていた。もう私ってこれ以上を求めてはいけないのかもしれないとも思っていた。だけど、そうではなかった。目の前が眩しくて落ち着かないけど、確実に今までとは違う人生なのだ。

自分のことを蔑むことがなくなったし、虚しさが消えた。楽しい気持ちが大きくなった。誰かのことを羨むことがなくなった。ただありのままの自分でいられた。純粋に感謝を感じることが多くなった。季節の変わり目の匂いにわくわくするようになった。冬の冷たい景色を綺麗だと感じられるようになった。あの頃感じていた土の匂い、風の匂いを感じられるようになった。ただそこに躍動感を感じられるようになった。私は生きているのだと感じられるようになった。

これが人を好きになるということなのかといま、呆然としている。

ああ、ごめんなさい神様。私が間違っていました。ごめんなさい、カーネルサンダー。これからもおいしいチキンを揚げてくれよな。

いまここあるのは感謝とそして愛情。そして自己愛も少々。執着は捨てることにしよう。


外は暗くなった。私はひとり紅茶を飲んでいる。

しんとしたクリスマスイブの夜、何人の人たちが愛を確かめ合っているのだろう。そこに真実の愛はいくつあるのだろうか。そんなこと知ったこっちゃないけど、いま私は確実に幸せなことはわかる。最高に幸せだ。本当に、幸せだ。




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