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さよなら

クラムボンの正体も知らないまま大人になって、今更どこに行こうとしているのか。
曖昧な笑みを僅かに貼り付けて、世界全てを胡麻化そうとしているのか。

向こうへ行こう。誰も知らない土地へ歩こう。
どこに行ったところでどうしようもない。
だからといって死ぬのはまだ遠慮蒙りたい。

息が聞こえる。
空を泳ぐ古代魚はいつの日も寡黙だ。
誰もいない海に石を投げ続けても、何も帰ってこないのは分かっていて。

約束すらされていない土地を探して歩け。
自分自身に課す至上命題。
さよならを言う相手がいるのは幸せだから、
枯れ果てた大地を歩き続ける。

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