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かなしみを通り抜けても

かなしみを通り抜けても苦しみが骨の形を浮き彫りにする。そんな毎日を刑罰のように過ごしているんだね。
いつからいつまでそうすれば気がすむのかい? 始点すら忘れてしまったあなたならどこに行くのも自由でしかない。そのことくらい覚えているだろう。

空を飛びたいと思うなら飛べばいい。単純な機構さえもてば迎えてくれる。何にも届かない地上。天空にあなたが住む世界があるかどうかは分からないけれど気休めくらいにはなるだろう。因果律など切り離してしまえ。選び取るものくらいあなたの指先で決められるだろう。

枯れ枝が風に煽られている。既に落ちた葉は母親よりも先に土に還るようだ。でもあなたはまだ還る必要はないのだから。北風が強く吹いていたとしても妨げられることはない。飛べ。裏切ってもいい。飛べ。

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