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工藤 弥生
2017年2月18日 18:30
どんなところにも異界への窓は開かれていて、周波数が合う人間がそれに気づくのを待ち構えている。さびしさや虚しさ、気づかなければ幸せな諸々の感情。それらが軋み、人間の閾値を超えたとき、彼らはその窓から身を投げるのだ。窓にも異界にもなんの責任はない。それらは単にそこにあるものとして存在しているのだから。その選択肢に気づき、選んでしまうのは限られた人間だ。その血肉を糧として今日も窓は澄み切っている。