見出し画像

Netflix大作ドラマ「すべての見えない光」感想!マジ率直に述べます!期待はずれ!

孤児院で幼い日を過ごし、ナチスドイツの技術兵となった少年。パリの博物館に勤める父のもとで育った、目の見えない少女。第二次世界大戦末期のフランス、サン・マロでの、二人の短い邂逅。
そして彼らの運命を動かす伝説のダイヤモンド――。
時代に翻弄される人々の苦闘を、彼らを包む自然の荘厳さとともに描く感動巨篇。

YouTube等で早めに宣伝が行われていたが、その後は配信が近づいても大々的に宣伝されることがなかったため、Netflixとしては当初考えていたほどの期待作ではなくなったのだろうと感じていた。

実際に見たところ、感動巨編という謳い文句は間違いではないが、思ったとおり、予告などの雰囲気から感じられるような「凄いドラマ」ではなかった。

万人に向けられた良作ではあるだろうが、予告や設定、世界観などで期待されるハードルは高く、超えることはできていなかった。

小説なら……

まず第一印象は、原作の小説は面白いんだろうなと思った。

大小様々な奇跡が積み重なりながら、感動的な物語が紡がれていくような世界観で描かれる映画の舞台が、第二次世界大戦、ナチスという凶悪で残酷な事実がベースになっている。
内面の描写が多い小説であれば、ある種ファンタジー的とも言えるストーリーでも、なんというか、強制的に受け入れられそうな気もする。
ただ、こと映像作品においては、視覚的に戦争を味わうことになることと、リアリティの面で文字と比較したときに圧倒的に映像が勝る点から、ファンタジー的ストーリーと第二次世界大戦は、非常に相性が悪く、都合よく進むストーリーがとても嘘くさかった。

全編英語なのはなぜ?

もう一点気になったところは、全編通して英語が使われていることだ。
第二次世界大戦末期のフランスが舞台で、フランス人の少女とドイツ人の兵士が主人公だ。
2人とも同じラジオを聴き、世界の真実や理を知っていった子どもであり、大人になっても立場が変化しても、社会に毒されることなく生きていける力を持っている。国も環境もまるで異なる2人が、同じ精神のもと、ある場所に向かって行き、いずれは交差する。
誰もが、言葉の壁を超越する何かが描かれると期待してしまう。
「チェルノブイリ」が英語だったことや、「キングダム」が日本語なこと、サノスが英語を喋ることとはワケが違う。
言葉の壁という当たり前のことがないのは、作り手側に都合の良い「設定」や「縛り」ということであり、結局はフィクション感を増してしまう要因となっているのだ。

こんなことがあったら素敵だったね

意味のあるフィクションならいいのだが、「裏で実はこんな話があったら、素敵じゃない?」という夢物語でしかなく、いいドラマだったとは思えなかった。


内容について否定的な意見のみで、あまり参考にならなかったと思うが、良い点を言うと、全4話、合計4時間という短さは魅力的だと思う。
また、キャスト、監督、脚本などは豪華な顔ぶれで製作されているので、間違いなく実力者による作品であり、見る人によっては感動的な作品になっているはず。
(キャストについては、ドイツ製作Netflixドラマ「ダーク」で有名になったルイスホフマンが主人公のドイツ人を演じているのだから、再度言及することになるが、彼はドイツ語を使うべきだったのだ。)

私としては、気になった点がずっとノイズとなって鑑賞の邪魔になってしまい、4時間の大作ドラマを素直に楽しむことはできなかった。
残念な体験だった。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?