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曽野綾子 本当に強くなるには

ほんとうの意味で強くなるにはどうしたらいいのか。
それは一つだけしか方法がない。
それは勝気や、見栄を捨てることである。

争いがおこるのは不安だから。

不安だから先手を打つ必要がある。

やられる前にやるのだ。


その不安をなくすには

正確な情報と判断力が必要となる。


そして

ほんとうの意味で強くなるには

勝気をなくし

見栄を捨てるということ。


何とか生活できるのならいいではないか。


馬鹿にされたとしても

それは人が思っていることで

自分がそう思わなければいいではないか。


むしろ

人を安心させるために

馬鹿にされることを受け入れる。

それでいい。


定住生活の中

農耕が始まると

収穫物の出来不出来があるようになり

それを解消するために

生き延びるために


さらには

効率よく生きるために

略奪が始まった。


本来であれば

自給自足できるのであれば

争わなくてもいいのに。


欲望が止まらなくなるのが人間。

それを理性で制御できるようにしなければ

いつまでたっても

争いは終わらない。


勝気や見栄を捨てることで

ほんとうに強くなり

焦りや恐怖から

自らを

解放することができる。


同じ地球の同じ時代に生まれているのに

そうして争わなければならないのだろうか。

どうして

軍隊というものが必要となるのだろうか。


どうして

軍隊をさらに強くしたいと思うのだろうか。

そんな政治でいいのだろうか。

そんな人を選んでいいのだろうか。


戦争は愚かなことでしかない。

やめてほしい。

『人びとの中の私』

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