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曽野綾子 完全と不眠

完全なことをしようなどと、

どこかで思っているから、

眠れなくなるのである。
『悲しくて明るい場所』

この世に中に

完全なものなどないのに。

人間はどこかに

完全なものがあると

思いたがる。


自分の中に

完全なものを求めるのなら

人の中にも

完全なものを

きっと

求めるのだろう。


完全なものなどないのに。


そんなこと

分かってはいるのだけれども

こころのどこかに

思わずにはいられないものがある。


そのこと自体が

もう

完全ではない。


では

ほどほどのところで

良しとしましょう。


自分も

人にも

そうしましょう。


そう思っているのに

どうして

眠れないのだろう。


たんに

年取ったからかも。

眠るにも

眠るちから

生命力がいるのだ。


さあ

完全からは

解放されましょう。


完全は存在しないのだからね。


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