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曽野綾子 逃げるということ

逃げることを知らない人は、

勇敢でいいようだが、

どこか人間的でない。

どうにもならないようなことからは

自分を生かしていくためにも

そこから逃げる

という選択をしてもいいと思う。


逃げることなく

自分がだめになるよりは

逃げることの方がいいに決まっている。


逃げないことが勇敢なことなのではなく

むしろ

そこから

逃げることの方が

勇敢だと言える。

うちひしがれることを

自分に許せない人は、

外から見ても

こちこちな感じがして

近寄りにくい。

どうにもならなくて

もう

うちひしがれることしかないなら

そうするほかはない。


泣いてしまうことがある時にも

泣くしかない。


それが自然な感情だから。


その自然を許せないという人は

なんと不自然なのだろうか。


自分に許せないものを

どうして他人を許すことができるだろうか。


それがこちこちということ。

かたくて

曲がらなくて

折れてしまう脆さがある。

同様に

いつまでも逃げている人は、

決して

根本から

解決することもできない。

そして

同じように

いつまでも学ばないで

逃げることしかしないのなら


どうして問題を解決することができるだろうか。


『悲しくて明るい場所』

この世は

悲しくて

そして

また明るい場所。


矛盾することが同時にある場所。

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