曽野綾子　おもしろい

私くらいの年になると、

他人なら、

嫌な人でも

平気になって来るのよ。

自分の問題と他人の問題とを

分けて考えることができるようになると

嫌な他人のことも

平気になって

考えることができるようになる。

他人に嫌な点があったとしても

それは

自分が考えるべき問題ではないので

自分が悩む必要はないのだ。

おもしろい人に会えて

よかったと

思えるのよ。

そうなると

嫌な他人でも

案外

おもしろい人として

対応することができるようになるのかもしれない。

自分とは違う見方ができるとか

自分の価値観とは違っているとか

自分とは視点が違っていることに

気がつくことが

おもしろいというのだ。

そんなふうに

おもしろがることができれば

ほとんど

無敵に近くなる。

『寂しさの極みの地』