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ジョゼと虎と魚たち

「アタイたちは死んだモンになってる」

小説「ジョゼと虎と魚たち」は、田辺聖子の短編恋愛小説です。

足が悪く車椅子生活を送るジョゼと、大学生の恒夫との純愛を描いています。
二人は偶然の出会いから次第に惹かれ合い、外の世界へと飛び出していきます。
しかし、ジョゼにとって完全な幸福は死と同義だったのです。

恒夫は、雀荘でアルバイトをしている大学生です。近所に出没する乳母車を押す老婆に興味を持ちます。
ある日、老婆に遭遇した恒夫は、乳母車に乗っているのが少女であることを知ります。それが、足の不自由なジョゼとの出会いです。
ジョゼは恒夫を「管理人」と呼び、高飛車な態度で身の回りの世話をさせます。恒夫は就職活動のためジョゼの家から足が遠のきます。
恒夫が市役所に就職が決まり、久しぶりにジョゼを訪ねると、ジョゼは祖母を亡くして引っ越したと聞きます。
恒夫は引っ越したアパートを探し当てますが…。

この小説のタイトルは、作者の田辺聖子が好きな映画「ジュールとジム」に由来しています。
ジョゼの名前は、フランスの作家フランソワーズ・サガンの小説「愛の嵐」の登場人物から取られています。

この小説は、1985年に角川書店から刊行された短編集の表題作です。
他にも「お茶が熱くてのめません」「恋の棺」「それだけのこと」などの短編が収録されています。

「ジョゼと虎と魚たち」は、2003年と2020年に実写映画化されました。
2003年版は犬童一心監督、妻夫木聡と池脇千鶴が主演しました。
2020年版は韓国でリメイクされ、ナム・ジュヒョクとハン・ジミンが主演しました。
同じ2020年には、原作小説から新しく脚色した劇場アニメ版も公開されました。
劇場アニメ版は、同タイトルでコミカライズ、及び再ノベライズ化されているメディアミックス作品です。

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ジョゼと虎と魚たち

ジョゼと虎と魚たち コミカライズ版 上下巻

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