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望月みろEP.02「覚醒」
EP.02
ある日、望月みろは研究中に激しい頭痛と身体の痺れを感じるのであった。
何が起こったのかわからないが、テーブルの上のパソコンのスイッチが起動する。
そこには謎の男ミスターTが再び現れる。
ミスターTから、望月みろの体を構成しているDNAは特殊な状態で保持されていると告げられる。
他の情報を繋ぎ合わせるために自己増殖機能を意図的に増幅させられていた。
その自己増殖機能が暴走し、望月みろの身体が崩壊へと向かっているとのこと。
解決するには、今まで集めたリスナー様の耳垢情報(DNA)を、望月みろに融合させることだとミスターTは告げる。
望月みろはサンプル体が入った注射針を、躊躇いもなく腕に刺す。
激痛と震えが全身を襲い、意識が朦朧としてきた。
その時ある夢をみた。
緑豊かな木々に囲まれた一軒家の庭先で、一匹の黒猫と楽しそうに過ごす少年。
「これは私の記憶…?」
とても懐かしい気持ちになった。
次の瞬間、遠くでミスターTの声が聞こえる。
「だ…ぶか…?」
「…大丈夫か…?」
「起きるんだ!」
「みろ!」
どをにか正気を保つ望月みろ。
夢の話をミスターTに伝えると、ミスターTは黙ってしまう。
「その記憶は…そうか。」
「わかった。」
ミスターTは静かに望月みろに伝える。
地下に秘密の場所がある。
冷凍培養液が入っている冷凍庫内に赤い文字で【BLACK-CAT】と書かれた秘密のサンプル体があることを。
それを身体に打つようにミスターTは望月に伝える。
望月みろは迷うことなく素直に応える。
【BLACK-CAT】を打った後、望月の身体の痛みと震えは止まり、気分は安定した。
リスナーのサンプルと謎のサンプル【BLACK-CAT】を身体に取り込むことにより、一命を取り留めた望月みろ。
洗面台で顔を洗い鏡を見ると、そこには見知らぬ身体と顔をした自分が居た。
ミスターTは過去に自分が現実世界に存在していたときに着ていた、研究着兼、戦闘服を着るように望月みろに伝える。
これからは外に徘徊する機械生命体に追われ、戦闘になる可能性があるというのだ。
理由は、望月みろの身体がDNA情報を完璧に保管した「覚醒」した肉体へと変化したことが原因らしい。
望月みろのDNAを採取するため、機械生命体は望月みろに吸い寄せられるように襲ってくるのだ。
望月みろは鏡の前で静かに新しい衣類に袖を通す。
新たなボディ、衣装を纏った自分を鏡ごしにジッと見つめる。
望月みろは右手をグッと強く握りしめた。
望月みろのサンプル採取、耳かきがまた新たに始まろうとしていた。
つづく…
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