永江恭平、覚悟の一年を迎えて

オープン戦も始まり、球春到来となった今日この頃、それぞれのファンは応援するチームの内容や結果を見て、一喜一憂するしている事でしょう。

我らがライオンズは主力選手が抜け、それに代わる選手の台頭が必須で、TVやWEBのスポーツニュース、スポーツ紙ではまずはその話題になります。ま、当然ですよね

その中でも浅村栄斗が抜けたセカンドについては、ユーティリティプレイヤーの外崎修汰にいつでも対応できるよう、バックアップさせつつ、ルーキーの山野辺翔を源田壮亮の様に一年目から活躍させるべく「二匹目のドジョウ」を狙い、辻監督がつきっきりで指導する毎日。

また昨シーズン、共に一軍で初ホームランを記録した6年目の金子一輝と5年目の山田遥楓が控えの内野手として、開幕一軍の座を競い合っています。

現状、ライオンズで二遊間を守れる選手の序列を付けるなら

・レギュラー当確
源田壮亮(ショート)
外崎修汰(セカンド、サード、レフト、ライト)
・レギュラー候補
山野辺翔(セカンド)
・一軍控え候補
金子一輝(セカンド、サード、ショート)
山田遥楓(セカンド、サード、ショート)
・二軍調整
熊代聖人(内外野全ポジション)
水口大地(セカンド、サード)
永江恭平(セカンド、サード、ショート)
・二軍育成
綱島龍生(セカンド、サード、ショート)

こんな感じでしょうか。

自分で考えた序列ですが、これを見て思うのが
「果たして永江恭平まで順番が回ってくるのだろうか?」ということ。

思えば永江も高校から入団して7年が過ぎました。
入団当時から高い守備力でファンを魅了し、メジャー移籍濃厚だった中島裕之(現宏之)の後釜は永江で決まりだ!と期待を一身に集めましたが、正直なところ打撃面では一軍レベルに到達しておらず、守備固めに終始。
そうこうしている間に辻発彦監督が就任した2016年オフ、直後のドラフトで源田を獲得し、見初めた辻監督は開幕スタメンで起用。
以後2年間、ライオンズのショートストップは源田がフルタイム(フルイニング)で任される事に。

同い年【※学年は一つ上】の源田がショートのレギュラーを掴み、下からは金子一輝や山田遥楓から突き上げを喰らい、昨シーズンは僅か4試合、打撃数ゼロと過去最低のシーズンとなりました。




これは2007年から2012年まで横浜ベイスターズおよび横浜DeNAベイスターズに在籍していた高森勇旗が書いたコラムですが、同じ境遇とは言えないものの、共にドラフトでは下位での指名だった永江が立たされている現状とダブらせて読んでいました。

永江がドラフトされたが2011年。その時、指名された高校生は育成枠を含め39人。しかし2019年現在、NPBの選手として残っているのは19人。つまり半数以上の選手がすでに戦力外通告を受けた事になります。

(6年目となる)12年、シーズンが始まる前から、この年が最後の年になる可能性が高いことは分かっていた。過去5年間で出場した1軍の試合は2試合。6年目ということは、下に5つも年下の選手がいるということ。過去の実績から見ても限りなくクビに近い選手である上に、限りなくチャンスが少ないことは、自分でも覚悟をしていた。それでも、できることがたくさんあることを、私は知っていた。誰よりも真剣に練習に取り組み、試合ではファールボールを拾いに行き、出ている選手のサポートに徹した。
試合に出られないことに不満を言わなくなった。現状を受け入れ、できることに集中し、実行した。その結果、徐々に試合に出るチャンスが増えていった。「試合に使え」と分かりやすく不満を漏らせば漏らすほど、試合には使われなくなり、使われないことを受け入れ、サポートに徹していると、試合に使われ始めた。この年は、こんな不思議な力学を、体験した。

永江自身も今シーズンは最悪の事態を想定しながらのキャンプインだったと思います。内野守備が錆びついているわけではないので、他球団からお声がかかるかもしれませんが、ライオンズにおいて非常に厳しい立場であり、アピールの場すら貰えるチャンスが少なくなってくることは本人が一番わかっているでしょうから。

今年のオフ、我々は永江の姿をどのような形で見ることになるのでしょうか?大晦日直前にTBS系列で放送される「例の番組」で苦悩する姿を見る羽目になるのか、ライオンズとは違うユニフォームを着ている躍動する姿か、それとも序列で上にいる選手を追い抜いて、奇跡的な逆転劇を果たして一軍での出番を増やすか。

永江に夢を見た1人のファンとして、幸運を祈る。

ライオンズを中心にあれこれ思った事を書いてます。